小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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脊椎怪物 |
魚類 |
半人半魚型 |
ダゴン |
身長:9m |
肉食性 |
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■生け贄を要求する傲慢な神
ダゴンはイスラエル周辺の土地で生まれた、魚人のモンスターです。H.P.ラブクラフトの小説『ダゴン』や『インズマスの影』では、全身ウロコにおおわれ、水かきのある手足を持った巨人として描かれています。このダゴンはあくまでも小説家の想像の産物ですが、伝統的なダゴンの性格を的確に表現しています。というのはこういうことです。ダゴンは最古の時代には人間の姿をした穀物の神で、カナン人の主神だったバアル神の父として崇拝されていました。ところが、このあたりにはドゴン(Dogon)という名の魚神もおり、こちらは上半身が人間、下半身が魚の姿をしていました。このため、いつの間にかこれら2つの神が混ざり合い、魚の世界へも人間の世界へも自由に行き来できる新しい神ができあがったのです。そんな神ですから、ラブクラフトの描く姿がまさにぴったりだといえるのです。しかし、ダゴンは神とはいいながら非常に傲慢で、穀物の成長を左右できる力で人々を脅し、自分のために神殿を築かせたり、人間の生け贄を要求したりしました。そんなわけで、時代が下るとともに神として崇拝されることはなくなり、モンスターや悪魔の仲間と考えられるようになったのです。 |
(モンスター解体新書のイラストはすべて福地貴子さんが描いています。) |
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