小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆（鬼塚サヤ）の孫として生まれた鬼塚宏樹（主人公＝私）は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のＫ市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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| 脊椎怪物 |
ほ乳類 |
人面獣身型 |
トウコツ |
体長：６ｍ |
肉食性 |
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■死ぬまであきらめない頑固者
トウコツは人間の頭に虎の身体を持つ、中国生まれのモンスターです。身体をおおう毛の長さは４０ｃｍもあり、尾の長さだけで３ｍくらいあります。また、口からはイノシシの牙が生えています。とんでもなく凶暴な上に、一度始めたら絶対にあとへは引かない性格で、とにかく悪いことばかりし続けるといわれています。おそらく、どこかの町や村に狙いを定めたら、その土地の人間や家畜たちが全滅するまで暴れ回るのをやめないのでしょう。人々の住居や田畑まで破壊し尽くすのかもしれません。自分より強い相手がいてもおかまいなしです。トウコツは敵に傷つけられたくらいでは決してあきらめず、相手が死ぬか、自分が死ぬかするまで、戦うことをやめないのです。人間の頭を持っているので、多少の知性はあるのでしょうが、どんな立派な人間が説得しようとしても、いうことを聞きません。このため、「難訓（教育できない）」という別名をつけられたほどです。しかし、過去に一度だけ、舜（しゅん）という英雄と戦って敗れたときだけはあきらめ、はるか西方の土地へと移動しました。トウコツがあきらめたのはそのときだけで、その後もずっと悪いことをし続けているのです。 |
| （モンスター解体新書のイラストはすべて福地貴子さんが描いています。） |
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