小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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脊椎怪物 |
ほ乳類 |
ネズミ型 |
カコウジュウ |
体長:2m |
雑食性 |
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■火山に棲む巨大ネズミ
カコウジュウは巨大なネズミの姿をした、中国生まれのモンスターです。絹糸のように細く、長さが50cmもある体毛におおわれ、火山の中に住んでいます。ずっと昔、中国では火山の燃え盛る火の中に「不尽木(尽きない木)」という木があるといわれていました。火に燃えないばかりか、どんな暴風雨にさらされても朽ちない木です。カコウジュウはこの木の中に巣を作ります。カコウジュウは水をかけられると死んでしまうという弱点があるので、ほとんどいつも火の中にいます。火の中ならば水はすぐに蒸発してしまうからでしょう。しかし、火から出ることもできます。火の中では毛が赤くなり、火の外では白くなります。火の中で暮らしているくらいですから、カコウジュウの体も体毛も決して燃えることはありません。そこで、昔の中国人はカコウジュウの毛から火に入れても燃えない火浣布(かかんふ)という布を織り、高価な値段で売買したといわれています。このために数多くのカコウジュウが火の外に出たとたんに水をかけられて殺されてしまいました。カコウジュウを捕まえたいというみなさんはカコウジュウの弱点をよく理解し、決して殺さないように注意してください。 |
(モンスター解体新書のイラストはすべて福地貴子さんが描いています。) |
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