小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆（鬼塚サヤ）の孫として生まれた鬼塚宏樹（主人公＝私）は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のＫ市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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■キョウシが変身した暴れ者の犬
コウは中国で生まれた、犬に似た姿のモンスターです。怪力の上に神通力があり、口から火炎や煙を吐いたりするなど、リュウと共通する点が数多くあります。おそらく、雰囲気も似ており、体にはウロコがあり、鼻先には長い２本のひげがあり、あごのまわりや首などに長い体毛が生えているのでしょう。もしかしたら、犬とリュウの間に誕生した子孫かもしれません。ただし、言い伝えでは、コウは干ばつを起こす僵尸（きょうし）が変化したものだといわれています。僵尸はヴァンパイヤなどと同じアンデッド系のモンスターで、人を喰ったり、血を吸ったりする怪物です。この僵尸の中に干ばつを起こす種類のものがいて、これがコウに変化するのです。変化するのは、人間を襲って失敗したときのように極端に腹を立てたときです。それまで人間の姿だった僵尸が突然コウになります。そのせいかどうかわかりませんが、コウはいつも腹を立てているような暴れ者で、人に迷惑ばかりかけます。神々はコウが人間に迷惑をかけないようにと考え、見つけるとすぐ天界に連れていきます。しかし、地上では次から次とコウが誕生しているので、地上に住むコウがいなくなることはないのです。 |
| （モンスター解体新書のイラストはすべて福地貴子さんが描いています。） |
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