小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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脊椎怪物 |
ほ乳類 |
合成獣型 |
アメミット |
体長:2m |
肉食性 |
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■悪人の心臓を餌にする死後法廷の番犬
アメミットはライオンの身体と前肢、ワニの頭、カバの後肢を持った、エジプト生まれのモンスターです。昔、エジプトではオシリスという神が、死後の人間が天国に行けるかどうかを決めるといわれていました。オシリスはそのための裁判所を持っており、死んだ人間はみな船に乗せられてその裁判所に連れて行かれました。裁判所には大きな天秤(てんびん)があり、この天秤で死者が天国に行けるかどうかを決めるのです。やり方はこうです。天秤の一方の皿には正義を量るための羽が載せてあります。もう一方の皿には死者の心臓を載せます。このとき、天秤が釣り合えば死者は天国へ行けます。しかし、少しでもどちらかに傾くようなことがあると大変なことになります。アメミットがいつも天秤のそばにいて、天秤が傾いた瞬間に死者の心臓を喰ってしまうからです。おそらく、人間の心臓が大好物なのでしょう。新しい死者がやってきて、天秤が傾くたびに、アメミットは何個でも心臓を喰ってしまいます。そして、心臓を喰われた死者たちは、その場で消えてなくなってしまうのです。こうやって、アメミットは何百年間も人間の心臓を喰い続け、いまでもそうしているのです。 |
(モンスター解体新書のイラストはすべて福地貴子さんが描いています。) |
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