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フランボワイヤン・ワールド
中国神話伝説ミニ事典/図書編
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
緯書
イショ
予言書
 古代中国の後漢時代に流行した一種の予言書のこと。
 ただし、緯書は本来は経書と一対の概念で予言を述べている必要はない。経書は四書(大学・中庸・論語・孟子)・五経(詩経・書経・易経・春秋・礼記)のような儒家がよりどころとする経典のことで、経には「たていと」という意味がある。緯書は経書の解説書というべきもので、緯には「よこいと」という意味がある。伝説によれば(実際はそうではないが)、緯書は、さまざまな経典を編纂した孔子が後世の人々がそれを正しく理解できるようにと作ったものだといわれる。こういう性格のものなので、緯書には、詩緯・書緯・易緯・春秋緯・礼緯・楽緯・孝経緯のように経書と結びついた種類のものが多いのである。
 しかし、緯書はほとんどの場合に讖(しん)と呼ばれる神秘的な予言の内容をもっていた。このために讖緯書とも呼ばれ、神秘的な予言の書となったのである。

 ところで、予言そのものは中国でも非常に古くからあった。それが、緯書に含まれる讖のような予言書の性格をもつようになったのは秦の始皇帝の時代ではないかという見方がある。始皇帝の即位32年(前215)、方士・盧生が録図書という書を始皇帝に奉った。その中に「秦を亡ぼす者は胡である」という語があったが、その予言のとおり、二世皇帝・胡亥の悪政が原因で秦は滅びたのである。これが、緯書に含まれる讖(予言)の初期的なものというのである。

 この種の讖(しん)(予言書)は、前漢末からさらに流行した。政治社会の混乱の中で、人々がそれを望んだからだった。前漢(劉氏)の王位を簒奪した王莽はそれを巧みに利用した。王莽が利用した讖は符命と呼ばれるが、これは天から降された命令書というべきものである。それが最初に現れたのは元始5年(5年)のことだとされている。王莽は元帝の外戚として順調に出世していたが、このとき井戸の中から出てきた白石に赤い字で、「安漢公莽に告ぐ。皇帝となれ」と記されていたのである。さらに、王莽が皇帝の摂政となっていた居摂3年(8年)には、「摂皇帝、まさに真たるべし」(摂政よ、真の皇帝となれ)という符命が下った。こうして世論も味方となって、王莽は皇帝となり、国号を新(8年~23年)としたのである。このため、王莽による帝位簒奪は符命革命とも呼ばれるのだ。
 生憎なのは、王莽政権を打倒し、漢王朝を再興した劉秀(光武帝)にも予言書が力を貸したことだ。王莽時代も終わりに近づくと、劉氏(漢)王朝を再興しようという動きが活発になり、各地で劉姓の者の反乱が起こった。光武帝のいた南陽地方にもその動きは及んだが、そんなとき豪族の李通が光武帝にある予言書を見せた。そこに、「劉氏また起こり、李氏が補とならん」とあった。続けて別な者が光武帝に予言書を与えたが、そこには「劉秀よ天子となるべし」とあった。これらの予言書は図讖(としん)と呼ばれているが、この種の予言が何度もあった。それで光武帝も挙兵の決心を固め、ついに王莽政権を打倒したのである。このため光武帝の漢王朝再興は図讖革命と呼ばれるのである。
 ここで紹介した符命や図讖は緯書だったのではないかともいわれるが、とにかく光武帝がこれらの予言(讖)を認めたことで、それを内容に含む緯書がその後の大いに盛行した。当然多数の緯書が作られたし、役人たちは緯書を学ばなければ出世できないような時代だった。

 しかし、そんなに流行したにもかかわらず、現在までまとまった形で伝わっている緯書は存在しない。緯書が王朝を揺るがすような予言を含んでいることが多いために、徐々に禁圧されるようになったからである。その最大のものが隋の煬帝(在位604~617)による緯書の焼却である。こうして緯書は完全に散逸し、ほかの書の中に引用された佚文という形でだけ、現在に伝わることになったのである。

→録図書
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イオの末裔
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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