小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆（鬼塚サヤ）の孫として生まれた鬼塚宏樹（主人公＝私）は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のＫ市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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| 勧世良言 |
| カンセリョウゲン |
| 宗教 |
太平天国の乱の指導者・洪秀全（こうしゅうぜん）（１８１２～１８６４）に多大な影響を与えたキリスト教プロテスタント派の布教用のパンフレット。
１９世紀初頭、ロンドン伝道会の宣教師ロバート・モリソンが広州に入ったが、このとき改宗者の梁阿発（りょうあはつ）も一緒だった。梁はマラッカで聖書を中国語訳し、更に布教用のパンフレット『勧世良言』をまとめていた。この中でキリスト教の神（god）は上帝と訳されていた。上帝とは中国の最高神のことである。
一方、洪秀全は当時科挙試験を目指しており、広州の試験会場前でこのパンフレットを受け取った。しかし、３度目の試験にも失敗した洪秀全はショックのあまり４０日間も病床に臥せり、不思議な夢を見た。上帝と思われる上品な老人から破邪の剣を与えられ、中年の男に助けられて悪魔を退治する夢である。
その後、洪秀全は放っておいた『勧世良言』を読んだことで、夢の謎が解けたと思った。上帝はキリスト教の神、中年の男はイエスであり、自分は救世主として悪魔である儒・仏・道の３教および民間の偶像崇拝信仰と戦わなければならないというのである。そこで洪秀全はさっそく太平天国の前身となる拝上帝会を設立し、太平天国の樹立に向けてまい進することになったのである。 |
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