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フランボワイヤン・ワールド
中国神話伝説ミニ事典/図書編
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
楚辞
ソジ
古典
 古代中国の詩集。戦国時代の楚(そ)の歌謡およびその伝統を引く歌謡を集めたもの。前漢末期に劉向(りゅうきょう)によって16巻本が編纂され、後漢になって王逸(おういつ)が自作を加えて17巻本とした。
 『楚辞』の作者としてはとにかく屈原(くつげん)が有名である。
 『楚辞』の17巻は、①離騒(りそう)、②九歌、③天問、④九章、⑤遠遊、⑥卜居(ぼくきょ)、⑦漁父(ぎょほ)、⑧九弁、⑨招魂、⑩大招、⑪惜誓(せきせい)、⑫招隠士(しょういんし)、⑬七諌(しちかん)、⑭哀時命、⑮九懐、⑯九嘆、⑰九思より成る。諸説あるが、このうち①②④⑤⑨は屈原作だろうと考えられている。
 屈原は楚の貴族の出身で、楚の懐王(かいおう)の信任を得て三閭(さんりょ)大夫の地位にまで上った有能な政治家である。当時、周辺諸国の制覇を狙っていた秦は遊説家の張儀(ちょうぎ)を楚に派遣して秦・楚の連合を説かせた。屈原はこれに反対し、秦ではなく斉(せい)と同盟すべきだと主張した。だが、彼の才能をねたんだ上官の中傷によって懐王から遠ざけられた。しかも、懐王は誘われるままに同盟を結ぶために秦に入り、捕虜となって死んだ。次に即位した頃襄王(けいじょうおう)も取り巻きたちの意見を入れ、屈原を洞庭湖(どうていこ)周辺の江南に追放した。
 以降、屈原はその地を放浪して暮らしたが、やがて秦が楚の都の郢(えい)を陥(おと)すと、絶望した屈原は石を抱いて汨羅(べきら)の淵に身を投げて死んだ。こうした境遇の中で屈原の代表作「離騒」は作られたという。
 この結果として「離騒」にはきわめて人間的な孤独感や悲憤がこもっている。また屈原の想像力は神話世界まで及び、作品に浪漫的で幻想的な雰囲気も添えている。
 この性格が『楚辞』全体に及んでおり、『楚辞』は中国古代世界の神話や歴史のロマンに触れるための格好の材料となっているのである。
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