小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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枕中記 |
チンチュウキ |
小説 |
中国、唐代中期の8世紀後半に書かれた短編伝奇小説。沈既済(しんきせい)作。『大平広記(たいへいこうき)』巻82に「呂翁(りょおう)」という題で収録されている。現在でも、人生の栄枯盛衰のはかなさのことを「邯鄲(かんたん)の夢」「黄梁一炊(こうりょういっすい)の夢」などというが、それはこの小説に基づいている。
主人公の盧生(ろせい)は邯鄲(河北省南部の平原にある都市)に中規模の土地を持つ農民である。人生に飽き足らず、学問によって立身出世したいと望んでいたがうまくゆかず、意気消沈して近くの旅籠(はたご)で休んでいた。すると、呂翁という不思議な老人が青磁(せいじ)の枕を貸してくれた。彼はすぐに横になった。そこから、彼の非常にリアルな夢が始まる。間もなく科挙の試験に合格した盧生は資産家の娘を嫁にもらい、どんどん出世する。途中、政敵に陥れられたりするがどうにか乗り切り、最後は政府最高の宰相の地位にまで上る。そして栄華を極めた八十年の生涯を送って亡くなるのである。とはいえ、それはすべて夢であり、目覚めた盧生は相変わらず旅籠にいて、主人が煮ていた粥もまだ出来上がっていなかった。こうして盧生は人生のむなしさを知るのである。 |
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