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フランボワイヤン・ワールド
中国神話伝説ミニ事典/図書編
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
桃花源記
トウカゲンキ
小説
 中国六朝(りくちょう)時代の詩人、陶淵明(とうえんめい)(365~427)の書いた散文の非常に短い物語。中国のユートピア伝説として有名な「桃源郷」のルーツとなった作品である。
 4世紀のこと。河南省の武陵(ぶりょう)の漁師が魚を捕るうちに渓谷の奥深くに迷い込んだ。そこは両側にびっしりと桃の花だけが咲き乱れる渓谷で、その先の小山に洞窟があった。漁師は船を捨てて洞窟の奥へと進んだ。と、やがて洞窟は終わり、不思議な村が出現した。平和な美しい村で村で、村人たちは漁師を家に招待して大いにもてなした。そして、次のように話した。
「自分たちの祖先は秦の時代に戦乱を逃れて人里離れたこの土地にやってきた。それ以来、村からは一歩も出ていない」
 つまり、その村人たちは500年間も世の中と切り離された場所で生活していたのである。今が何時代かさえ、彼らは知らなかった。
 その後、漁師は数日間温かくもてなされた。もう一度来たいと思った漁師は途中、しるしをつけながら自分の町まで帰った。ところが、漁師の話を聞いて大いに興味を持った町の長官が部下を派遣してその村を探させたが、もう二度と見つけることはできなかったのである。
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