小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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南柯太守伝 |
ナンカタイシュデン |
伝奇小説 |
中国唐代中期の短編伝奇小説。『大平広記(たいへいこうき)』475に収められている。伝記作家・李公佐(りこうさ)(770年ころ~850年ころ)の代表作。淳于棼(じゅんうふん)という遊俠の士が蟻の世界へ行くという不思議な夢の話で、古くからはかない夢のことを「南柯の夢」というのはこの小説に基づいている。
唐代のこと。官職を捨ててうらぶれた生活をしている淳于棼の家に大きな槐(えんじゅ)の木があった。
あるとき、友と酒を飲んで酔って昼寝すると夢に二人の使者が迎えに来て、彼は車に乗って槐の木の穴に入って行った。車は見慣れぬ風景を進み、大槐安国と書かれた城門をくぐった。彼は盛大な歓迎を受け、帝王に謁見し、王女と結婚した。南柯郡の太守に任命され、20年間善政を行い、立派な功績をあげ、権勢をほしいままにした。その後、檀羅国(だんらこく)との戦争に敗北し、妻も死んだ。すると王は彼を罷免し、故郷に帰るように命じ、「三年したら迎えに行こう」といった。彼は二人の使者に送られ、もと来た道を戻った。こうして彼はまるで一生を過ごしたような気分で目覚めたが、そこは彼の家の東廊下で、すぐそばに友がいて、酒樽もそのままだった。不思議に思った彼は庭の槐の木の穴を調べたが、中はうつろになっていて無数の蟻がいた。そこで、さらによく調べると、大槐安国、南柯郡、檀羅国と思われる場所までが見つかったのだ。彼は感慨を催し、すべてを元通りに戻したが、その夜の暴風雨で蟻はすべていなくなってしまった。このことがあって、彼は人生の空しさを悟り、その後は道門に入り、三年後に亡くなるのである。 |
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