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フランボワイヤン・ワールド
中国神話伝説ミニ事典/図書編
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
封神演義
ホウシンエンギ
小説
 中国明代末の長編小説で、数多くの英雄や神々、神仙、妖怪などが登場し、活劇を繰り広げる神魔小説、神怪小説である。全100回。作者は許仲琳(きょちゅうりん)とも陸西星(りくせいせい)ともいわれる。
 『西遊記(さいゆうき)』『水滸伝(すいこでん)』などと同じく、『封神演義』もある歴史的事実を骨子としている。
 紀元前11世紀、中国では600年も続いた古代王朝の商(殷(いん))が滅び、周王朝が成立した。商の紂王(ちゅうおう)が暴君であり、美女・妲己(だっき)を溺愛して政治を顧みなかったことから周の文王(ぶんおう)・武王親子が反乱を起こしたのである。このとき、武王を補佐した太公望呂尚(たいこうぼうりょしょう)は軍師として大いに活躍したと伝えられている。
 これがいわゆる商(殷)周革命だが、この戦いを利用する形で多数の神仙や妖怪たちによる荒唐無稽な戦いが繰り広げられるのが『封神演義』なのである。
 主人公は姜子牙(きょうしが)(太公望呂尚)である。呂尚は歴史上実在の人物だが、物語の中では仙人で、仙界から降りてきて武王に仕えることになったとされている。
 次のような物語である。
 商王朝の紂王はもともとは力も強く、頭もよく、即位して七年間は非常に優れた王として国を治めた。しかし、命運は尽きようとしていた。あるとき、女媧(じょか)宮を参拝した紂王は女神・女媧を描いた壁画の美しさに心を乱され、宮の壁にみだらな詩を書きつけた。これを知った女神は激怒した。
 女媧は妖怪・九尾狐狸精(きゅうびこりせい)を呼び、商の宮中に潜入して紂王を狂わせるよう命じた。狐狸精はこのころ紂王の後宮入りが決まった美女・妲己の体を乗っ取った。紂王はそれが妖怪とは知らずに妲己を溺愛し、心を操られ、暴君として振舞うようになった。このため、これまでは商に従っていた各地の諸侯たちの間に離反の動きが起こり始めたのである。
 まさにこのようなとき、仙人の世界にも重要な動きがあった。というのは、このころ仙人たちは「刹劫(さつごう)」に苦しめられていた。それは仙人が持つどうしても抑えられない殺人の衝動で、1500年に一度やってくるのである。そこで、崑崙山(こんろんさん)の仙人たちはこれから地上で始まる戦争を利用してその殺人衝動を一気に解放することにし、ある計画を立てた。これを機に仙界と人間界の間に神界を作り、中途半端な仙人や特別な能力を持つ人間たちを大量殺戮し、神として封じようというのだ。そして、神として報じるべき365名のリスト「封神傍(ほうしんぼう)」まで完成させた。
その上で仙人たちはこの計画の遂行者として崑崙山で修行中だった道士・姜子牙を選び、地上へと派遣した。姜子牙は偶然を装い周の武王に近づき、軍師として採用されたのである。
 ところで、崑崙山の仙人たちは人間から構成される仙界の主流派閥・闡教(せんきょう)に属していた。そして、仙人の中でも自然界の動植物などからなる派閥・截教(せつきょう)を嫌っていた。このため、封神の計画はまったく闡教による截教粛清計画でもあったのである。当然、姜子牙のもとにはせ参じた仙人・道士たちは闡教に属するもので、その代表が那托(なた)や楊戟(ようぜん)である。一方、截教の仙人たちは商の最強武将・聞仲(ぶんちゅう)のもとに集まった。聞仲自身が截教の同士で、自分の仲間を結集したからだ。こうして、商周革命の戦争が仙界の二大派閥の代理戦争のように展開することになるのである。
 その結果は当然のことだが、紂王や妲己の死と商の滅亡であり、姜子牙による封神計画の完遂である。そして、周の武王によって周王朝が打ち立てられたのである。
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