小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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李娃伝 |
リアデン |
小説 |
中国唐代中期の伝奇恋愛小説。白居易(はくきょい)の弟の白行簡(はくこうかん)(776年ころ~826年)作。『大平広記(たいへいこうき)』巻484に収録されている。当時民間で行われていた講談「一枝花」をもとにしたもので、門閥制の厳しい時代に身分の違いを越えて結ばれた男女の恋が描かれている。
天宝年間(742~756年)のころ。常州(江蘇省(こうそしょう))の刺史(しし)・滎陽(けいよう)公の子は俊才だったが、科挙の受験のために長安に行くと名妓(めいぎ)・李娃(りあ)に夢中になり一文無しになってしまった。
あげくに李娃にも袖にされた彼は長安で流浪の身となり、最下層の葬式人夫に交じって暮らすようになった。それを知った父親は家の名折れといって彼を鞭打ち、見放した。それから彼はさらに身を落とし、長安で乞食となって暮らした。
ある大雪の日、彼はとある屋敷に物乞いに入ったが、それは偶然にも李娃の屋敷だった。落ちぶれた彼の姿に衝撃を受けた李娃は彼を屋敷に招き入れ、それからは彼の再起のために尽くすようになった。
その甲斐があり、3年後には彼は科挙の試験に主席合格し、任地へ赴任することになった。このときになって、李娃は身分の違いを理由に彼と別れると言い出した。だが、彼が承知しないので李娃はとにかく剣門(四川省)まで見送ることにした。そのころ、彼の父も剣門に滞在しており、親子は再会し、仲直りした。彼から李娃のことを聞いた父は感心し、決して別れてはいけないといい、正式な手続きを整えて二人を結婚させた。こうして名門出身の男と芸妓上がりの女が結ばれ、幸福を得ることになったのである。 |
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