小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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聊斎志異 |
リョウサイシイ |
小説 |
中国清代初期の怪異小説集で、志異文学の大傑作。作者は蒲松齢(ほしょうれい)(1640~1715)。「聊斎(りょうさい)」は作者の書斎の名で、一種のペンネーム。「志異(しい)」は「異(ふしぎ)を志(しる)す」という意味。
その題名のとおりいかにも不思議な物語を集めたもので、神仙、狐、鬼(亡霊)、化物、妖怪、不思議な人間・動物・昆虫、奇怪な事件など、さまざまな題材を扱っている。
収められた小説の数も膨大である。現在もっとも流布している本のもとになっている乾隆(けんりゅう)30年(1765)刊の『青柯亭本(せいかていぼん)』の場合、全16巻、445編が収められている。
蒲松齢という人は高級官吏を目指して科挙の試験に挑戦し、19歳で秀才(官吏候補生)の試験に合格した。しかし、その後51歳までに11回挑戦するも上級試験には合格できず、30歳ころからは晩年に至るまで家塾の教師をして過ごした。そんな彼が三十代のころに『聊斎志異』のほとんどは書かれ、その後晩年になるまで少しずつ書き足され、現在の形になった。
蒲松齢はとにかく珍しい話や不思議な話、奇怪な話が大好きで、民間説話や故事、他の文学作品をヒントにしたもの、同行の志から聞いた話など、面白い題材を手に入れるとすぐさまそれを小説にしたという。
しかし、この書は志怪(しかい)書のようなぶっきらぼうな書き方ではなく、語り口も巧みで文学的にも優れた面白い読み物になっている。つまり、内容は志怪だが、まるで唐代伝奇小説のような浪漫主義的雰囲気をたたえた志怪書なのである。 |
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