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蚕女 |
サンジョ |
道教 |
蚕の女神 |
人間の娘が蚕(かいこ)と化した道教の神。この神に祈ると蚕の出来がよくなる。日本の蚕神である「オシラサマ」と類似した由来譚がある。
黄帝(こうてい)の曾孫(ひまご)にあたる帝嚳高辛氏(ていこくこうしんし)の時代のこと。蜀(しょく)(四川省)の国のある男が賊にさらわれた。
男は一年たっても帰らず、妻は困り果て、「夫を助けた人に娘を嫁がせる」と公言した。すると、家に飼われていた馬が綱を切って駆け出し、数日して夫を乗せて帰ってきた。しかし、妻から事情を聞いた男は、「馬に娘をやるわけにはいかない」といって暴れまわる馬を射殺し、皮をはいで庭にさらした。と、あるとき、馬の皮が突然跳ね上がり、近くを通りかかった家の娘に巻きつき、どこかへ飛んでいってしまった。十日後、馬の皮が桑の木の上に引っかかっていたが、娘はその中で蚕となり、口から糸を吐いていたのである。以来、娘は養蚕の神になったが、四川省にあるその墓にはいまも大勢の人々が参詣に訪れる。 |
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