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フランボワイヤン・ワールド
中国神話伝説ミニ事典/神様仙人編
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斉天大聖
セイテンタイセイ
道教
悪霊退治の神
 『西遊記』の主人公・孫悟空(そんごくう)のこと。
 小説の孫悟空は東勝神州敖来国花果山(とうしょうしんしゅうごうらいこくかかさん)山頂の大石から生まれた石猿で、どうしようしようもない暴れ者だった。困った玉皇大帝(ぎょくこうたいてい)は、悟空を天界の役職に就けて称号でも与えれば静かになるだろうと考えた。こうして付けられた称号が斉天大聖だった。
 したがって、斉天大聖とはもとは小説中の称号に過ぎないわけだが、その小説があまりに有名になってしまったことから、現実の神として祀られるようになったようだ。清代(1662~1911)の初期、福建省には壮大な斉天大聖廟まであったといわれる。その姿は当然猿だが、サルの頭に人の体だという説もある。
 清中期以降、中国では斉天大聖を祀る大きな廟は失われたようだが、信仰自体は長く続いたといわれる。現在は台湾や東南アジアで人気が高く、信者たちは廟にある孫悟空の像を自宅で祀る習慣があるという。
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