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草鞋大王 |
ソウアイダイオウ |
道教 |
旅人の守護神 |
中国の旅人の守護神だが、もともとは神でもなんでもないただの古木だったという。
十二世紀のこと。ある街道に枝葉の茂った古木があった。ある旅人がここで草鞋(わらじ)を取替え、古いのを古木の枝にかけた。と、誰もがそれを真似たので、古木の枝が草履(ぞうり)だらけになった。しかも、占いごとをすると効験があるというので、人々はこの木を神として信仰した。
そんなあるとき、いたずらな旅人が木の幹を削って「草鞋大王、ここに降る」と書き込んだが、数日して戻ってみるとそこに祠が建っていた。さらに3年して通りかかると、立派な廟ができ、そばに小さな町まであった。不思議に思った男は廟に行き、「あなたは誰か」と神に尋ねた。と、その夜の夢に神が現れ、「私はこのあたりの兵士だったが、人々に親切だったのを天帝がご存知で、幸いにもこの古木に神号があったので、命令を受けて草鞋大王になったのだ」と語ったという。 |
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