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魃 |
バツ |
中国神話 |
黄帝(こうてい)の娘・旱魃(かんばつ)の女神 |
中国神話で、崑崙山(こんろんさん)から流れ出る赤水(せきすい)という川の北方に住むとされている頭のはげた旱魃(かんばつ)の女神。しばしば、そこを逃れて、各地に出没し、旱魃を起こす。そこで、魃が現れた土地の人々は、「神よ、北へ行け」と唱えて追い払ったという。また、水路をよく掃除し、流れをよくするよう努めたという。
ただし、魃はもともとは天界に住む女神だった。かつて黄帝と蚩尤(しゆう)が激しく戦った戦争において、蚩尤は風伯と雨師に頼んで大暴風雨を起こし、黄帝を苦しめたことがあった。このとき、黄帝は魃を天界から呼び寄せ、その力で大暴風雨を消し去った。このおかげで、黄帝はついに蚩尤を殺すことができたのだが、このときから魃は天界に戻れなくなってしまった。とはいえ、魃が地上にとどまっていると旱魃が起こり、人々が苦しむことになる。そこで、黄帝は魃の居住地を赤水の北方に限り、被害を食い止めようとしたのだという。 |
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