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比干 |
ヒカン |
道教 |
文財神 |
道教の文財神。比干は殷の紂王(ちゅうおう)に仕えた忠臣で、信義に厚い人物だったので、商売の神、財神として祀られるようになったという。
比干が仕えた紂王は史上最悪の暴君として名高い人物である。紂王が淫乱に走ったため、国政は大いに混乱し、それが殷王朝の滅亡につながるのである。先代の王・帝乙の弟であり、紂王の叔父にあたる比干はこの状況を黙視するわけにいかなかったようだ。「臣下たる者、命をかけて王を諌めなければならない」と考えた比干は何度となく紂王を諌めたという。だが、比干の諫言に腹を立てた紂王は、「聖人の心臓には穴が七つ開いているということだ」といって、比干を殺し、心臓を取り出して調べさせたのである。
このような比干が優れた人物として評価されるのは当然で、明代の神怪小説『封神演義』でも史実に近い形で登場しており、のちに北斗星宮の文曲星に封じられたとされている。 |
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