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李冰 |
リヒョウ |
中国神話 |
治水神 |
二郎真君(じろうしんくん)の父とされる中国神話の治水神。
伝説によると、戦国時代に蜀(しょく)(四川省付近)の太守に任じられたが、このあたりは毎年蛟(みずち)が大暴れして大洪水を起こす場所だった。人々から話を聞いた李冰が剣を抜いて水中に飛び込むと、すぐにも岸辺で二頭の灰色の雄牛が格闘を始めた。
だが、決着はつかず、二頭とも水中に没した。間もなく、李冰が戻り、兵士を集め、「今度はわしは白い帯を目印につけるので、目印のない方を射殺してくれ」といった。
それから再び李冰は水に入り、岸辺で水神と戦い始めた。そこで、兵士たちは一斉に目印のない雄牛に襲い掛かり、見事に水神を退治した。
こうして、蜀は洪水に襲われなくなり、人々は李冰を神として祀ったのである。ところが、その後奇怪なことが続いたので、廟(びょう)の主神は李冰の次男の二郎真君に改められ、いつしか二郎真君のほうが有名になってしまったのだという。 |
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