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劉海蟾 |
リュウカイセン |
道教 |
仙人、針商の守護神 |
北宋代(960~1126)の神仙。1310年、元の武宗(ぶそう)皇帝から海蟾明悟弘道純佑帝君(かいせんめいごこうどうじゅんゆうていくん)の封号を与えられている。海蟾という号のため、その像は三本足の蟾(がま)に乗っていることが多い。
一説によると、本名は劉玄英(りゅうげんえい)で、大燕(だいえん)に仕えて丞相(じょうそう)にまで出世した。
ある日、道士がやってきて鶏卵十個と銭一枚をくれというので与えてやると、銭を机の上に置き、その上に卵を塔のように積み上げた。
劉海蟾が「危ない」と叫ぶと、道士は笑って、「高い地位にいるあなたの方がもっと危ない」といった。
この言葉を聞いて悟った劉海蟾はすぐに官職も家も捨て、道士となって終南山(しゅうなんざん)(陝西省)に隠棲した。やがて、丹(たん)を完成し、尸解(しかい)して仙人になったという。
『西遊記』第七十一回に登場する張紫陽(ちょうしよう)という神仙は実在する人物だが、実は劉海蟾から仙術の奥儀を授けられたといわれる。 |
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