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劉猛将軍 |
リュウモウショウグン |
道教 |
駆蝗神(くこうしん) |
道教の駆蝗神すなわち蝗(いなご)を駆逐する神である。
昔の中国、とくに安徽(あんき)、河南、三東、華北などの江北華中地区の諸省ではイナゴの被害は大変なものだった。その被害は想像を絶するもので、蝗という字は虫へんに皇と書くが、これはイナゴの被害を防ぐのが皇帝の仕事と考えられたからだという。
そこで、中国では古くからさまざまな駆蝗神を祀るようになったわけだが、なかでも有名なのが劉猛将軍である。
誰が劉猛将軍かということについては種々の説がある。金軍の侵攻を防いだ南宋の武将・劉錡(りゅうき)、その弟の劉鋭(りゅえい)、元末にイナゴの来襲があると兵を率いてイナゴと戦った劉承忠(りゅうしょうちゅう)など、劉姓の立派な将軍数人が死後に劉猛将軍になったといわれている。結局、劉猛将軍は複数存在していて、それぞれが自分にゆかりのある土地をイナゴの害から守っているということができるだろう。 |
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