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廩君 |
リンクン |
中国神話 |
伏羲(ふっき)の子孫、巴(は)氏族の祖神 |
巴南郡(四川省)に住んでいた巴族の祖先とされる英雄神。様々な競争に打ち勝って、5部族の長になったという伝説がある。
それによると、昔、巴南郡にいずれも鐘山出身の巴姓、樊姓、「しん姓」(しんせい)、相(しょう)姓、鄭(てい)姓の5氏族があった。
はじめ、この地方に共通の首長はおらず、5氏族はみな鬼神を祀っていた。あるとき、5氏族で話し合い、剣を投げて命中した者が首長になると誓い合った。すると、巴族の務相(むしょう)という者だけが命中させた。
次に泥舟に乗って川に漕ぎ出し、浮かんだ者を首長にすると決めた。そこで、務相が首長となったが、これが廩君だという。
この後、夷水(いすい)の塩水の女神が虫に変身し、無数の虫たちを率いて飛び回り、大地が真っ暗になるということがあった。廩君は女神をだまして体に青い糸を結ばせ、女神が虫になるとそれを目印に矢を射た。このおかげで、この世はまた明るくなったという。 |
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