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尉遅恭 |
ウツチキョウ |
英雄 |
秦瓊(しんけい)とともに李世民(りせいみん)(太宗)の両腕として活躍した唐初期の名将(585~658)。字は敬徳(けいとく)。朔州(さくしゅう)・善陽(山西省朔県)出身で、隋末から唐初期の時代を舞台にした数多い隋唐物語の中心人物である。
初め北方の実力者・劉武周(りゅうぶしゅう)に仕えており、李世民軍団の秦瓊と一騎打ちをしたこともある。これが『秦尉大戦』として京劇のタイトルにもなり、『隋唐演義』でも第一のクライマックスになっている名勝負で、朝から晩まで戦っても勝負がつかなかった。だが、間もなく劉武周が死ぬと李世民軍団に加わり、右一府統一軍に任ぜられ、群雄討伐、全国平定に貢献した。その活躍ぶりはとにかくすさまじく、『隋唐演義』では”神勇”という表現が使われている。また、道教では秦瓊と尉遅恭を悪霊を払う一組の門神として祀っているが、『西遊記』には二人が門神となった起源譚がある。 |
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