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高俅 |
コウキュウ |
悪漢 |
明代の小説『水滸伝(すいこでん)』で、梁山泊(りょうざんぱく)最大の敵役として登場する創作上の北宋(ほくそう)の悪臣。『水滸伝』には高俅のほか、蔡京(さいけい)、童貫(どうかん)などの悪臣も登場するが、もっとも目立つのは高俅である。
もとは東京(とうけい)に住むごろつき。蹴毬(けまり)がうまいというので趣味人だった徽宗(きそう)皇帝に気に入られ、あっというまに 殿帥府太尉(でんすいふたいい)という大官に出世し、それから好き勝手な振る舞いをするようになる。史進(ししん)に武芸を教えた王進(おうしん)が東京から逃げ出さなければならなくなったのも高俅のせいだし、林冲(りんちゅう)を犯罪者に仕立てて滄州(そうしゅう)に流刑にしたのも高俅だった。
梁山泊の好漢たちが朝廷に帰順してからも、高俅は他の悪臣たちと手を結び、好漢たちに敵対し続ける。方臘(ほうろう)討伐戦後に宋江(そうこう)と廬俊義(ろしゅんぎ)が毒殺された事件でも、高俅は中心的な働きをした。つまり、『水滸伝』の全編に渡って悪事を働き続けたわけで、悪役ではあるが、物語に不可欠の人物なのである。 |
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