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聶隠娘 |
ジョウインジョウ |
ヒロイン |
9世紀ころに書かれた唐代伝奇小説「聶隠娘」に登場する女侠(じょきょう)。超絶の武芸を振るう暗殺者で、十一娘(しーいーにゃん)、十三妹(しーさんめい)など、後代の中国で創作される女侠の元祖にあたる。
唐の貞元(ていげん)年間(785~805)、魏博(ぎはく)(河北(かほく)省南部あたり)の役人の娘として生まれた彼女は10歳のとき尼僧に誘拐され、5年間深山で暗殺者としての修行を積まされる。その結果、彼女は空中を飛びながら刀で鷹(たか)を刺すことさえできるようになったうえ、尼僧によって後頭部に匕首(ひしゅ)を埋め込まれ、必要なとき取り出せる一種の人造人間に改造された。
しかし、彼女は命令されれば誰でも殺す暗殺者になったわけではなかった。やがて山を降りた彼女は自らの意思で尊敬できる人物に仕え、その人物の命を狙う暗殺者たちを撃退するのである。その方法は完全に現実離れしており、彼女は虫に変身して主人の腹の中に潜(ひそ)み、敵を待ち受けたりする。 |
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