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フランボワイヤン・ワールド
中国神話伝説ミニ事典/英雄豪傑編
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秦檜
シンカイ
悪漢
 中国史上最大最悪の売国奴(ばいこくど)として嫌われている南宋(なんそう)の政治家(1090~1155)。字(あざな)は「会之(かいし)」。江寧(こうねい)(江蘇(こうそ)省)出身。
 北方から南下した金(きん)軍の圧力で宋(そう)(北宋(ほくそう))が滅亡し、新しく長江(ちょうこう)の南に首都を移した南宋が樹立された時代、徹頭徹尾主戦派だった英雄・岳飛(がくひ)とその息子・岳雲(がくうん)を無実の罪で処刑し、金との間に和議を結んだことで知られる。
 だが、これは華北を割譲したうえ、毎年多額の銀を支払うという屈辱的条約だった。和議を結んだ功績で、秦檜は以降死ぬまでの19年間宰相(さいしょう)を務めるが、やがて秦檜は売国奴で愛国英雄岳飛を殺したという物語が民衆の間で人気を博するようになった。
 英雄・岳飛の活躍を描いた小説『説岳全伝(せつがくぜんでん)』でも当然最大の悪役だが、杭(こう)州の岳飛廟(びょう)の前には鎖につながれてひざま跪く秦檜の鉄製の像が置かれ、最近まで訪れる人々が唾を吐きかけるほどだった。
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