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武松 |
ブショウ |
英雄 |
明(みん)代の小説『水滸伝(すいこでん)』で梁山泊(りょうざんぱく)に集まった108人の豪傑の一人。身の丈八尺の乱暴者で、体術の達人。宿星は天傷星(てんしょうせい)、あだ名は行者(ぎょうじゃ)、梁山泊での順位は14位。その物語は『水滸伝』成立以前から講談などで語られており庶民の人気は高かった。
小説『水滸伝』でも108星全員が登場するまでを扱った前半70回の話の中で、第23回から第32回まで続く長い物語の主人公となっている。この部分には「景陽岡(けいようこう)の虎退治」「西門慶(せいもんけい)と潘金蓮(はんきんれん)殺し」「孟(もう)州での大殺戮」という3つの話が収められ、全体でちょうど十回分なので、一般に「武十回」と呼ばれている。このうち「西門慶と潘金蓮殺し」は小説『金瓶梅(きんぺいばい)』の元ネタでもあるので、武松は『金瓶梅』にも登場している。
梁山泊では歩兵軍の頭領の1人となるが、方臘(ほうろう)討伐戦中に睦(ぼく)州で左腕を失い、六和寺(ろくわじ)で寺男となって生涯を終えた。 |
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