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中国明代の小説『西遊記』で、天竺へ向かって旅する玄奘三蔵、孫悟空らの前に立ちふさがった燃え盛る山。三蔵一行は西梁女人国の毒敵山琵琶洞を過ぎて、さらに旅を続けてこの地に至った。
現在の中国・新疆ウイグル自治区のトルファン盆地の北側にある火焔山がモデルになっている。これは幅9キロ、全長100キロにわたって東西に連なる低い山脈だが、真夏には地上温度が80度にも達し、草木もない。また、南から太陽の光を受けると炎を吹き出しているように見えるため「火焔山」の名がついたといわれている。
『西遊記』では、物語の冒頭に孫悟空が天界で大暴れして煉丹の炉を蹴倒したとき、熱を持ったいくつかの煉瓦が地上に落ちて、それが火焔山になったと説明されている。
この山を越えるために孫悟空は翠雲山芭蕉洞に住む女仙人の鉄扇公主(羅刹女)および積雲山摩雲洞に住む牛魔王と戦い、芭蕉扇という魔法の扇を手に入れる。この扇で一度あおげば火が消え、2度あおげば風が吹き、三度あおげば雨が降る。また、49回あおげばもう二度と山が燃えることはなくなるという代物である。こうして、芭蕉扇のおかげで玄奘一行は無事に火焔山を越えることができたのである。
→西梁女人国、毒敵山琵琶洞 |
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