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瓦崗寨 |
ガコウサイ |
中国小説 |
とりで |
中国、隋代末期に有力反乱軍が根拠地としたところ。『説唐全伝』などの隋唐物語の中で中心的な働きをしている。現在の河南省北東部あたりにあった。
隋唐物語は基本的にアウトローの豪傑たちが大活躍をするというものである。その意味で、瓦崗寨は豪傑たちが集った『水滸伝』の梁山泊に似ている。ただし、隋唐物語のほうが古い。
『説唐全伝』では、瓦崗寨の最初の頭領は大魔国の『混世魔王』を名乗る程咬金である。瓦崗寨では仲間に官職を与えたり、独自の元号を使用していたので、その頭領はいわば皇帝のような存在である。だが、程咬金が頭領になったのには特別な理由があるわけではない。咬金が総帥旗を拝んだら旗が立ったという、神のお告げ的な理由である。もとは下町の乱暴者で国家専売の塩の密売に手を出して捕縛され、その後強盗の仲間になったという人物だが、やることなすことうまく行くという強運の持ち主で、その強運だけで瓦崗寨の頭領になったのである。こんな人物なので考え方も適当で、三年もすると「皇帝」の地位にも飽きてしまい、投げ出してしまった。
ここで次期頭領となったのが李密だった。李密(582~618)は歴史的にも瓦崗軍団の頭領として隋末混乱期に活躍した人物で、隋朝に取って代わる勢力として注目された。
このほか、中国で邪気払いの門神とされている秦瓊も瓦崗寨の豪傑である。
これら半ば軍人、半ばアウトロー的な豪傑たちが最後には唐に下り、唐の全国統一のために大活躍するというのが瓦崗寨を中心とした隋唐物語の展開である。
→梁山泊 |
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