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フランボワイヤン・ワールド
中国神話伝説ミニ事典/地名編
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陥空山無底洞
カンクウサンムテイドウ
西遊記
山・洞
 中国明代の小説『西遊記』で、妖怪の地湧(ちゆう)夫人が住んでいた洞窟。
 三蔵一行は比丘国に別れを告げると、さらに長い旅を続けたが、やがて黒松の林の中で美しい女が縄で縛られ助けを求めているのに出会った。悟空はすぐにもそれが妖怪だと見抜いたが、三蔵は信じず、一行は女を助けて近くの鎮海禅林寺を訪れた。するとその夜のうちにも女は正体を表し、三日間に寺の僧を六人も食ってしまった。あげくに、悟空が戦いを挑むや一陣の風と化して三蔵をさらって逃げ出した。その逃げた先が鎮海禅林寺から南へ千里も離れた陥空山無底洞だった。もちろん、悟空らは追いかけた。
 無底洞は陥空山にある周囲が十里もある巨大な岩の下にあった。入り口はかめの穴ほどの大きさだが、内部は恐ろしく深く、広かった。そこは一種の仙境で、深くへ下りると日光が輝き、花々が咲き乱れていた。ここで女怪は美しい女の姿に変じ、三蔵をくどき、夫婦になろうとしていた。
 一方は悟空は無底洞を探索するうち、その女怪が天界の神である李天王と関係深いことを探り出した。実は女怪はもとは天界の金美白毛の鼠の精で、かつて李天王と義理の親娘となっていたのだった。こうして女怪は李天王とその息子哪吒太子の手で捕えられ、天界へ連行されることになった。

→比丘国
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