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中国明代の小説『西遊記』で妖怪の賽太歳が住んでいた洞窟。朱紫国の南におよそ三千里ほどのところにあった。
賽太歳は朱紫国の王妃を誘拐した犯人で、このために朱紫国王は重い病になっていた。
そのころ、天竺に向けて取経の旅をしていた三蔵一行が朱紫国に入ったので、事情を知った悟空は王の病を癒した上で、王妃の救出に乗り出した。
賽太歳は火炎、黒煙、黄砂を吹き出す魔法の金の鈴で悟空を大いに苦しめた。だが、悟空に鈴を奪われ、最後は窮地に陥った。と、このとき観音菩薩が出現した。実は賽太歳は観音が乗用にしていた金毛のオオカミが変じたもので、王妃を誘拐したのにもわけがあった。朱紫国王はまだ若かったころに狩猟に出て、孔雀大王菩薩の子である雌雄二羽のひなを弓で射てしまったことがあった。これに怒った孔雀菩薩が三年間だけ国王と王妃の間を引き裂いて悲しませるように命令したのである。悟空が朱紫国にやって来たのはまさにその三年目に当たっていたので、観音菩薩は役目を果たした自分のオオカミを引き取りに来たのである。
そこで悟空は賽太歳は観音菩薩に引渡し、誘拐されていた王妃を無事に朱紫国に連れ帰ったのだった。
→朱紫国 |
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