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| 黄泉 |
| コウセン |
| 中国神話 |
| 冥界 |
古代中国において死者の魂が赴くとされた世界。 『春秋左氏伝』の前７２２年の条に黄泉に関する記述があり、黄泉がそれほど深くない地下にあり、穴を掘れば到達できるくらいの場所にあったことを窺わせている。それによると、昔、鄭《てい》国の王である荘公は裏切りを働いた母を城潁《じょうえい》に幽閉し、「黄泉の国に行くまでけっして会わない」と誓いを立てたが、後に後悔した。この話を、あるとき宮廷を訪れた役人が聞き、「それならば泉の水が地下水となって湧き出すところまで地面に穴を掘り、そこで母親と会えば約束を破ったことにはならないでしょう」とアドバイスした。これを聞いた荘公は喜んでその通りにし、母親と仲直りしたという。
この他にも、古代中国では鉱夫たちの働く場所は黄泉に取り巻かれていたという考えがあって、黄泉が比較的浅い地下にあったことを示している。
しかし、黄泉はたんに死後の魂が集まるという程度の曖昧な世界で、そこで死後の生活が行われているわけではなかった。 |
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