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フランボワイヤン・ワールド
中国神話伝説ミニ事典/地名編
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五神山
ゴシンザン
神話
島、山
 中国神話中、渤海(ぼっかい)のはるか東方にあったとされる5つの神山。岱輿(たいよ)、員嶠(いんきょう)、方丈(ほうじょう)(方壺(ほうこ)ともいう)、瀛洲(えいしゅう)、蓬莱(ほうらい)の5つがあった。
 五神山があるのは渤海のはるか東方の巨大な谷で、その谷は帰墟(ききょ)といった。帰墟には世界中の流れだけでなく、天の川までが注ぎ込んでおり、巨大な海になっていた。そこに五神山は島のように浮んでいた。
 五神山はどれも壮大で、山麓の周囲が三万里、頂上に9000里四方の広がりがある。住んでいるのは不老不死の仙人で、その宮殿は黄金と大理石でできている。鳥や獣はすべて純白で、木の実は美味で不老不死の妙薬となる。
 太古の時代には、五神山は浮島で根がなく、潮の流れ合わせてどこへともなく漂ってしまうという特徴があったという。そこで、天帝は禺彊(ぐうきょう)という神に、五神山を安定させるよう命じた。禺彊は15匹の巨大な亀を動員し、一回6万年、三交代制でこれらの島々を頭で支えさせた。おかげで、五神山は波に漂うことなく、安定するようになったといわれている。
 しかし、後に龍伯国の大巨人が五神山を支える15匹の亀のうち6匹を吊り上げてしまった。このため、五神山のうち岱輿と員嶠は支える亀がいなくなり、波に流され、やがて海の底に沈んでしまった。こうして、最後には方丈、瀛洲、蓬莱だけが残り、これらは三神山(さんしんざん)と呼ばれた。
 戦国時代末期以降、斉(せい)の威王(いおう)、宣王、燕(えん)の昭王、秦(しん)の始皇帝、漢(かん)の武帝など、古代中国の帝王たちはこれら三神山にあるという不老不死の妙薬に大きな関心を持った。そして、何度となく、三神山を目指して船で使者が派遣されたが、生きて帰ったものは少なかった。

→三神山
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