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獅駝嶺獅駝洞 |
シダレイシダドウ |
西遊記 |
山 |
中国明代の小説『西遊記』で、三人組の魔王が住んでいた洞窟。玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)一行は黄花観(おうかかん)を過ぎて西に旅を続けてこの地に至った。
三人の魔王のうち、一大王は青獅子の精、二大王は白象の精、三大王は鳳凰が産んだ大鵬(たいほう)という鳥が変じたものだった。このうち一大王と二大王は獅駝洞を本拠にしていたが、三大王の本拠は獅駝洞から西へ400里ほどのところにある獅駝国だった。
獅駝嶺は幅800里、周囲はどれくらいあるかわからない広大な山で、その中ほどに獅駝洞があった。
三蔵一行がこの山に入ったとき、三人の魔王は獅駝洞に揃っており、三蔵一行を襲って三蔵の肉を食って不老不死を得ようと企んでいた。このため、悟空たちと魔王軍団の間に激しい戦いが起こった。だが、魔王たちは強力で戦いはなかなか決着しなかったばかりか、三蔵まで捕えられてしまい、悟空は大いに弱り果てた。
これを見て天界の阿弥陀如来(あみだにょらい)が助けに来た。実は、三人の魔王たちはそれぞれ天界の神とゆかりのあるものたちだった。一大王である青獅子は五大山の文殊菩薩(もんじゅぼさつ)、二大王である白象は峨眉山(がびさん)の普賢菩薩(ふげんぼさつ)が飼っていた獣が逃げ出したものだった。また、三大王である大鵬は神鳥とされる鳳凰の子であって阿弥陀如来と関係が深かった。
そこで如来は文殊菩薩、普賢菩薩にも来てもらい、魔王たちを降伏させ、天界へと連れ帰った。このおかげで捕えられていた三蔵も無事救出され、悟空たちはまた西への旅を続けることになったのである。
→黄花観 |
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