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小雷音寺 |
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西遊記 |
寺 |
中国明代の小説『西遊記』で、黄眉(こうび)大王という妖怪が住んでいた寺。玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)一行は荊棘嶺(けいきょくれい)を過ぎてさらに西に進んでこの地に至った。
三蔵一行の最終目的地は天竺国(てんじくこく)の霊山にある雷音寺(らいおんじ)だが、この寺の名はそれより一字多いだけ。三蔵はこの寺にも立派な仏がいると信じ込んで中に入った。だが、実はそうではなかったので一行四人は黄眉大王の一味に捕えられてしまった。
困った悟空は五方の掲諦、六丁六甲など天界の神々を呼び出して一度は脱出した。しかし、黄眉大王はしつこく追いかけてきて今度は三蔵、猪八戒(ちょはっかい)、沙悟浄(さごじょう)、それに応援に来た天界の神々まで、つまり悟空を除くみなを捕まえてしまった。
そこで悟空は南贍部州(なんせんぶしゅう)の武当山に住む蕩魔天尊(とうまてんそん)や盱眙山(かんたいさん)に住む国師王菩薩の配下の神々の援軍を頼んだが、これらの者たちもことごとく黄眉大王に捕えられてしまった。
これにはさすがの悟空も万事休してしまったが、このとき弥勒(みろく)菩薩が出現した。実は黄眉大王はもとは弥勒に仕えていた黄眉童子という者で、弥勒の宝物を持ち逃げして小雷音寺で好き勝手なことをしていたのである。
こうして弥勒の助けで悟空はどうにか黄眉大王を退治し、三蔵一行は新たな旅に出たのだった。
→荊棘嶺(ケイキョクレイ) |
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