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竹節山盤桓洞 |
チクセツザンバンカンドウ |
西遊記 |
山 |
中国明代の小説『西遊記』で、妖怪の九霊元聖(きゅうれいげんせい)が住んでいた洞窟。
天竺国(てんじくこく)の霊山雷音寺(らいおんじ)を目指す玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)一行は隠霧山折岳連環洞(いんむさんせつがくれんかんどう)の南山大王を退治したあと、さらに西へと旅を続け、ついに天竺国へ入り、鳳仙郡を経て玉華州に入った。
玉華州の城市では国王から大いにもてなされた一行だが、その夜、油断から悟空、猪八戒(ちょはっかい)、沙悟浄(さごじょう)のそれぞれの得物―金箍棒(きんこうぼう)・九歯のまぐわ・降魔の杖―を奪われてしまった。
奪ったのは黄獅(こうし)という魔王でその住処は玉華城から北へ70里ほどの豹頭(ひょうとう)山虎口洞(ここうどう)だった。悟空はすぐにも追いかけて虎口洞に忍び込んで得物を取り戻した。だが、黄獅は逃げてしまった。その逃げた先というのが、竹節山盤桓洞だった。
竹節山盤桓洞には九霊元聖という魔王が住んでいた。九霊元聖には七人の孫がおり、黄獅もその一人だった。九霊元聖は黄獅の話を聞くと、配下を引き連れて玉華城を攻撃した。そして、玉華国王と三人の太子、三蔵、八戒を誘拐して盤桓洞へ連れ去った。
しかし、悟空は竹節山の土地神から九霊元聖の正体を知った。実は九霊元聖はもとは天界の神である太乙救苦天尊(たいおつきゅうくてんそん)が乗用にしていた頭が九個ある獅子の精で、天界から逃げ出して妖怪に変じていたのだった。そこで、悟空はすぐにも天界へ行き、太乙救苦天尊とその配下の獅子飼いにきてもらった。主人が現れると九霊元聖がすぐにも降参し、もとの姿に戻った。こうして、九霊元聖は天界へと連れ帰され、残った妖怪たちは退治された。
→隠霧山折岳連環洞 |
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