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通天河 |
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河 |
中国明代の小説『西遊記』で、霊感大王という水怪が住んでいた河。車遅国(しゃちこく)の関所を通過して旅を続けていた玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)一行の前にこの河が立ちふさがった。
現実の通天河は青海省南西部のタングラ山脈を水源に南東流する川で、長江(ちょうこう)の上流に当たる。ただし、この通天河は『西遊記』にちなんで名づけられたらしい。
『西遊記』の通天河はまったく海と区別できないような広い川である。川のほとりに「通天河」と刻んだ石碑があり、「対岸まで800里、古来渡った者はほとんどいない」とある。
通天河の川底に霊感大王の宮殿がある。
霊感大王はもとは観音菩薩が天界の落伽山の蓮池で飼っていた金魚だったが、毎日経を聞くうちに魔力を得て、池を逃れて通天河に来て主になった。そして、近くの村から無理やり生贄の子供を差し出させたりしていたのである。しかし、水の中ではとんでもなく強いため、悟空、猪八戒(ちょはっかい)、沙悟浄(さごじょう)もかなわない。やむなく観音菩薩にお願いしたところ、菩薩はその神力で霊感大王をもとの金魚の姿に戻し、小さな竹籠でいとも簡単にすくい上げたのだった。 |
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