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中国明代の小説『西遊記』で、玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)一行の目的地だった霊山雷音寺(らいおんじ)があった国。天竺は現在のインドのこと。
青竜山玄英洞(せいりゅうさんげんえいどう)の魔王たちを退治した三蔵一行はさらに旅を続けて、舎衛(しゃえい)国の布金禅寺(ふこんぜんじ)を訪れた。
ここで、一行はこの寺に天竺国の王女だと名乗る娘が保護されていることを知った。だが、寺の長老が天竺国の城内で調べたところ、王女は平穏に暮らしているという。長老はそれが不思議でならず、三蔵一行に相談したのである。
布金禅寺を去ってほどなく天竺国の城内へ入った悟空たちはさっそく王女のことを調べ始めた。悟空は王女を見るなり、それが妖怪であることに気づいた。悟空が襲い掛かるとにせ王女はすぐにも王女の衣装を脱ぎ捨てて南の山へ逃走した。山の名は毛頴山(もうえいさん)。悟空は後を追い、兎の巣穴に逃げ込んでいた妖怪を追い出し、撃ち殺そうとした。
このとき天界から女神の太陰星君(たいいんせいくん)が仙女たちを引き連れて現れた。王女に化けていた妖怪は実は天界で仙薬を搗いていた兎の精だった。こうして妖怪は天界へと連れ去られ、布金禅寺に保護されていた本物の王女が天竺国に戻った。
→青竜山玄英洞 |
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