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盤糸嶺盤糸洞 |
バンシレイバンシドウ |
西遊記 |
山 |
中国明代の小説『西遊記』で、蜘蛛(くも)の精である七人の女怪が住んでいた洞。盤糸嶺という山の麓にある。玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)一行は朱紫国(しゅしこく)を出て西へ進み、この山に至った。
盤糸洞の入り口は普段はただの田舎家風の様子をしている。それが女怪の住処とは知らず三蔵がただ一人で斎をもらいに行って女怪たちがへそから吐き出す蜘蛛の糸で絡(から)め取られてしまった。幸い女怪たちはそれほど強くはなかったので、悟空、猪八戒(ちょはっかい)らは女怪を簡単に追い払い三蔵を救出した。しかし、これが次なる災いを生むことになった。
盤糸洞から西へ半刻ほど歩いたところに黄花観(おうかかん)という寺があった。ここに女怪たちの兄に当たる百眼魔王という怪道士が住んでいた。何も知らない三蔵一行はこの寺を訪ね、三蔵、八戒、沙悟浄(さごじょう)の三人は出された毒入り茶を飲んで身動き取れなくなってしまった。どうにか難を逃れた悟空は百眼魔王に戦いを挑んだが、この魔王は両脇の下の一千個の目から強烈な金色の光を放射した。さしもの悟空もこれにはかなわず、大いに困った。だが、このとき女仙人の黎山(れいざん)老母が現れ、毘藍婆菩薩な(いらんばぼさつ)らば百眼魔王を退治できると教えてくれた。そこで悟空は觔斗雲(きんとうん)に乗って千里も離れた紫雲山千花洞(しうんざんせんかどう)まで毘藍婆菩薩を迎えに行き、その助けを得てどうにか百眼魔王を退治したのだった。
→朱紫国 |
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