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フランボワイヤン・ワールド
中国神話伝説ミニ事典/地名編
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扶桑樹
フソウジュ
中国神話
 中国神話中、太陽が空に飛び立つときに登るとされた巨大な木。
 神話によると、かつて中国では一度に十個もの太陽が昇り、天神の羿(げい)が派遣されてそのうち9個を射落とすということがあった。これら十個の太陽が空に飛び立っていったのが扶桑樹だった。
 扶桑樹ははるか東方の海の果て、太陽が昇る場所とされた湯谷(ようこく)(陽谷(ようこく))に生えていた。高さが数千丈、太さが1千丈という巨木だった。
 扶桑樹から飛び立つ太陽は、普段は一日に一個と決まっていた。太陽の母親である羲和(ぎか)が車に乗って、毎日太陽を先導した。この太陽がはるか西方まで進み、虞泉(ぐせん)という場所に近づくと夕暮れになり、蒙谷(もうこく)に入ると夜になるとされた。そして太陽は夜の間に湯谷に戻り、そこで並んで待っている太陽の一番最後に付き、次に飛び立つ日を待ったのである。
 この順番が狂い、一度に十個の太陽が扶桑樹に登り、そこから空に飛び立つようになったために、そのうち9個の太陽が羿に打ち落とされることになったのである。
 扶桑樹の頂上には玉鶏(ぎょくけい)という鶏もいたという。これは世界の鶏の代表者のようなもので、扶桑樹に太陽が登り、夜明けが近づくと大声で鳴いた。すると、この声を聞いて度朔山(どさくさん)の金鶏(きんけい)が鳴き、金鶏の鳴き声が聞こえると石鶏(せきけい)が鳴いた。そして、石鶏の鳴くと天下の鶏がすべて鳴き出したという。

→蒙谷、度朔山
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