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| 鄷都 |
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| 冥界 |
道教の冥界の王都。羅鄷（らほう）ともいう。もともとは中国北方海上の癸地（きち）という架空の地にある羅鄷山（らほうさん）にあるとされていたが、後に四川省（しせんしょう）の鄷都にあるとされるようになった。
中国では泰山（たいざん）にも冥府あるいは地獄があったとされるが、泰山が中国北方の黄河流域における地獄信仰の中心地だったのに対して、鄷都は四川省から長江（ちょうこう）中下流域における中心地だったといわれる。
羅鄷山の冥府が現実の土地に移されたものなので、基本的な組織などは同じであり、地獄の主宰者も鄷都大帝だとされている。
地獄の王都らしく伝説も多いが、『聊斎志異（りょうさいしい）』にある「鄷都御史」という物語によると、鄷都のはずれに奥深い洞穴があり、俗に閻魔大王の役所といわれていたという。また、鄷都地獄で使われる刑具はみな人間の作ったもので間に合わされており、桎梏（かせ）が古くなって使えなくなるとそれが洞穴の前に出してある。これを見つけると、県知事はすぐにも新しいものを用意して古いものと取り替えておくが、そうすると翌日にはなくなっていたなどと語られている。 |
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