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有莘国 |
ユウシンコク |
中国神話 |
国 |
殷(いん)王朝の開祖である湯王(とうおう)のもとで宰相を務めた神話的人物、伊尹(いいん)が生まれた国。殷よりも東方にあった。
昔、伊水の近くに住んでいた女が身ごもっていたとき、夢に神女が現れ、「臼(うす)と竈(かまど)が蛙を生んだら、村から東へ逃げなさい。振り返ってはいけません」といった。間もなく、その通りのことが起こったので女は村から逃げた。だが、途中で様子を見ようと振り返ったところ、すでに村は洪水に飲まれており、女も溺れ死に、空桑の木に変わった。その後、有莘国のある娘が桑林に行くと桑の木の空洞に赤ん坊がいた。それが伊尹で成長するに及んで特別な賢者となり、宮廷の教師を務めた。このころ、殷の湯王が東方に旅してきて、伊尹の才能を見出し、やがて自分の仕事を補佐させるようになったのだという。 |
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