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フランボワイヤン・ワールド
中国神話伝説ミニ事典/地名編
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流沙河
リュウサガ
西遊記
 中国明代の小説『西遊記』で沙悟浄(さごじょう)が住んでいた河で、弱水(じゃくすい)と同じ河だという。長さは限りなく、幅も800里以上あった。玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)一行は黄風嶺(こうふうれい)を越えた後、西へ進んでこの河に至った。
 沙悟浄はもとは天界で玉帝の侍従武官をしていたが、宴会のときに杯を割ってしまい、その罰として醜い姿で地上に追われた。そして流沙河の妖怪となって河を渡ろうとする人間を食っていた。三蔵、悟空、猪八戒(ちょはっかい)がやって来たときも一行の行く手をふさいだが、最後は観音菩薩の教化で三蔵の弟子となり、天竺国(てんじくこく)への旅に従うことになった。
 ところで、史実では玄奘三蔵はインドへ向かう途中のタクラマカン砂漠で、五日も水を得ることができずに死に瀕した折に深沙王(じんじゃおう)という神を感得したとされている。『西遊記』の沙悟浄はこの深沙王に由来するといわれる。したがって、流沙河も『西遊記』では水が流れる広大な河となっているが、元は砂漠だったものが転じたと考えられる。
 中国古代の地理書『山海経』でも中国のはるか西方に流沙という砂漠があるとされている。

→弱水
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