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淮水 |
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中国神話・地理 |
川 |
中国神話で、無支祈(むしき)という怪物が住んでいたとされる河。現在の河南省、江蘇(こうそ)省を流れる。
夏(か)王朝の始祖、禹(う)は治水工事のために中国各地をめぐったとされているが、その途中で3度、桐柏山(とうはくさん)(河南省)にやってきた。だが、来るたびに防風と雷雨に困らされた。そこで禹は、淮水とその支流である渦水(かすい)の水神を捕えることにした。この水神というのが無支祈だった。
何度目かの試みでやっと無支祈を捕えた禹は鉄の鎖で縛り、亀山(きざん)の麓を流れる淮水に沈めたという。
ずっと後になって、この無支祈が引き上げられたという伝説もある。唐代の永泰年間(765~766)のこと。一人の漁夫が淮水にもぐったところ大きな鎖が亀山の周りを巡っているのを見つけた。当時、蘇州(そしゅう)の刺史(しし)だった李湯(りとう)はこの話を聞いて調査に出かけた。そして数十人の漁夫に命じ、その鎖を五十頭の牛につなげて引き上げたところ、背丈が五丈もある、猿のようなかいぶつが現れた。だが、しばらくして眠っていた怪物が目を覚まし、五十頭の牛をずるずると引きずって再び水の中に戻ってしまったという。
→亀山 |
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