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フランボワイヤン・ワールド
水滸伝の豪傑たち
フランボワイヤン・ワールド・トップ水滸伝の豪傑たち目次
 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
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イオの末裔
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天満星
てんまんせい
朱仝
しゅどう
 梁山泊での順位  12位
 持ち場  騎兵軍八驃騎兼先鋒使
 特技  武芸
 あだ名  美髯公(びぜんこう)
 出身地・前歴  済州・鄆城県捕盗係の騎兵の都頭(隊長)
身長八尺四五寸(約265cm)の大男で、容貌は三国志の関羽そっくりなうえ、一尺五寸の長いひげを生やしていたので 美髯公と呼ばれた。
晁蓋・宋江・雷横らの命を救った義に篤い好漢
 朱仝は天罡星のひとつ天満星の生まれ変わった好漢である。
 梁山泊の総頭領となった晁蓋や宋江とは古い知り合いで、長いこと雷横とともに鄆城県の警察隊長を務めていた。義に篤い人物で、晁蓋一味が生辰綱を略奪したときや宋江が閻婆惜を殺したときなど、逮捕に出向きながらわざと逃がしてやった。また、雷横が白秀英を殺したときは、自分が逮捕されるのを覚悟で逃亡させた。こういう人物だから梁山泊に入るのは当然ともいえるが、朱仝自身は盗賊の仲間になるなど考えられない真面目な人物だった。梁山泊入りを拒む朱仝を入山させるため、朱仝が滄州長官の子供の面倒を見ていたとき、その子を李逵が殺してしまったのだ。このため、滄州にいられなくなった朱仝はやむなく仲間入りすることになったのである。梁山泊は必要な人材を仲間入りさせるためにかなりひどいことを平気でやる集団だが、朱仝の場合ほど残酷な例は他にない。
朱仝の物語
◆晁蓋一味を逮捕に行きながら逃走を助ける

 朱仝が済州鄆城県で捕盗係の騎兵の都頭をしていたある年の6月、北京大名府長官・梁中書が東京の宰相・蔡京に送った生辰綱(誕生祝いの財宝)が奪われるという事件が起こった。この事件の主犯が鄆城県郊外の東渓村に住む金持ちの晁蓋だというので、朱仝は同僚の雷横と一緒に県の長官に呼び出され、すぐにも逮捕に行くよう命じられた(第18回)。朱仝と雷横はすぐにも騎兵や土兵など百人を集め、数名の上官とともに東渓村へ向かった。
 目的地が近づき、「あれが晁蓋の屋敷だ。屋敷には前後に道がある。おれの合図で雷横たちは表門から攻め込んでくれ。おれは裏門で待ち伏せてやつらが逃げてきたところを捕まえるから」と朱仝がいうと間もなく、晁蓋の屋敷から火の手が上がった。というのも、これより少し前に鄆城県の押司(高級書記)だった宋江が知らせに来たので、晁蓋は官兵が逮捕にやって来るということを知っていて、すでに逃げ出す準備をしていたからだった。これを見た朱仝はすぐにも屋敷の裏手へ回ると、「表から攻め込め」と怒鳴った。このとき、屋敷には晁蓋と公孫勝がおり、まだ荷物をまとめている最中だったが、表から雷横たちが攻め込んだので、下男たちを引き連れ、朴刀を振り回し、裏門から「近づく奴は皆殺しだぞ」と叫びながら逃げ出してきた。晁蓋が立派な好漢だと知っていた朱仝は、初めから晁蓋を捕まえる気などなく、闇の中で「晁蓋、逃げるな」と叫びつつも、退路を空けて逃がしてやった。晁蓋たちが逃げるのを確認してから、配下の兵を屋敷に攻め込ませた朱仝は、「表の方で捕まえろ」と叫んだ。表門から攻め込んだ雷横もできれば晁蓋を助けたいと思っていたので、配下の兵に賊を捜索させながら、自分は探す真似だけしていた。朱仝は兵たちを屋敷の中に突入させてから、自分一人で晁蓋の後を追い始めた。「朱都頭、どこまでおれを追うつもりだ」と晁蓋がいったとき、朱仝は、「おれは初めからあんたを逃がしてやろうと思っていたんだ。梁山泊ならあんたを助けてくれるだろうから、どうにかうまく逃げ延びてくれ」と叫んだ。「かたじけない」と晁蓋はいった。このころになると背後から雷横らの一隊も大声を上げて追いかけてきた。朱仝は、「後のことはおれに任せて、とにかく逃げ続けてくれ」と晁蓋にいい、なおしばらく晁蓋らの後を駆けていった。そして朱仝は晁蓋らの姿が闇の中に見えなくなったころを見計らって、わざとおおげさにひっくり返った。そこに背後から兵たちが駆けつけてくると、「暗くて道が見えなかったんだ」と朱仝は言い訳した。この後、雷横らが晁蓋らを捜してあちこち駆け回ったが、雷横も晁蓋を捕まえる気などなかったので、適当なところで帰ってくると、「駄目です。まったくすごいやつらですね」と上官に報告した。

◆愛人・閻婆惜を殺した宋江の逃走を助ける

 数カ月後の9月ころ、今度は鄆城県の押司・宋江が愛人を殺害するという事件が起こった。宋江が立派な人物だということは有名だったので、知県(長官)も最初は逮捕する気などなかったのだが、告訴人があまりにうるさいのでやむなく逮捕状が出されたのである。知県から命令を受けた朱仝と雷横は兵を集め、すぐにも宋江が潜んでいるらしい、宋家村にある宋江の実家に向かった(第22回)。
 朱仝らが宋家の屋敷に着くと、宋江の父・宋太公が出迎えた。朱仝も雷横も宋江とは古い知り合いだったので、「わるく思わないでください。上司の命令でやむを得ず来たのです。宋江どのはいらっしゃいますか」と丁寧にいった。すると宋太公は、役人になったときに宋江の籍は抜いてしまったので、いまはもう宋江がこの屋敷に来ることはないという。朱仝は、「とはいえその言葉を鵜呑みにして帰るわけにもいきませんので、とにかく捜させてください」といい、配下の兵に屋敷を包囲させ、雷横に家の中を見てくるように頼んだ。間もなく雷横が戻ってきて、「本当にいないぞ」という。そこで朱仝は雷横に宋太公を見張るように頼み、今度は自分が家の中に入っていった。このとき朱仝は宋江がどこに隠れているかうすうす感づいていた。朱仝は宋江と何度も一緒に酒を飲んだことがあり、そのときの話で、宋江が実家の仏間の供物台の下に隠れるのにちょうどいい地下室があるといっていたのを覚えていたのである。そこで朱仝は仏間を捜して入り込むと供物台をどかし、床板をめくった。案の定、そこに地下室があり、中から宋江が出てきた。「やあ、宋江の兄貴。知県の命令で仕方なくあんたを逮捕しに来たんだが、以前、あんたが家の地下室のことを話したことがあるんで、きっとここに隠れていると思ったよ。ところで、いったいいつまでここに隠れている気なんだ。どこか身を寄せるあてはないのか」と朱仝はいった。「滄州にある小旋風の柴進の屋敷、小李広の花栄がいる青州清風寨、白虎山にある孔太公の屋敷くらいかな」と宋江がいうと、「だったら、できるだけ早くそのうちのひとつへ逃げるがいい。後のことはおれが引き受けるから」と朱仝はいった。
 それから宋江と別れた朱仝は仏間を元通りに戻し、屋敷を出た。宋太公によれば、宋江の弟の宋清も農具の仕入れに出かけていて村にはいないというので、朱仝と雷横は身内を捕まえることもあきらめて手ぶらで役所に戻った。そして、「屋敷と周辺を捜しましたが宋江はいませんでした。弟も旅に出たまま不在で、老父は病気で寝たきりの状態でした」と知県に報告した。さらにこの後で朱仝は殺された閻婆惜の老母に金をやり、告訴を取り下げるように承知させたり、州役所の役人にも金をばらまいて、話が悪い方向に進まないように取り計らった。こうしたことがあって、宋江と宋清は柴進の屋敷に身を寄せることができたのだった。

◆女芸人・白秀英を殺した雷横を逃亡させる

 朱仝はその後も鄆城県の役人生活を続け、3年ほどたったときには牢詰めの軍官を務めていた。4月ころ、こともあろうに長いこと同僚だった雷横がこの牢屋に入れられることになった(第51回)。雷横が、新任の知県の情婦だった白秀英という性悪の女芸人を殺したためだった。朱仝は雷横に同情したが役目なのでどうすることもできず、 獄卒に命じて雷横が入る一間をきれいにしたり、酒食に困らないように気を使った。そのうち雷横の老母が弁当を差し入れに牢を訪ねてきて、朱仝に会うとどうにかしてくれと哀願した。「安心しなさい。うまい手を見つけて必ずどうにかしますから」と朱仝はいって老母を送り出した。それから朱仝はあちこちに賄賂を使ったが、知県は雷横を憎みきっていたので、朱仝の頼みを聞いてくれないどころか、白秀英の父の依頼を受けて雷横を死刑にしようとしているようだった。
 拘留期限の60日が過ぎたとき、雷横は済州の役所に送られることになり、朱仝が護送を命じられた。朱仝は配下の兵十名とともに首枷をつけた雷横を連れて出発した。鄆城県を出て間もなく一件の居酒屋を見つけた朱仝は、「さあ、ここで一杯やっていこう」といって兵たちを店の中に入れてしまってから、「何だって、小便がしたいのか」と雷横にいい、雷横を店の裏手の誰もいない草むらへ連れていった。そこで朱仝は雷横の首枷をはずし、「急いで家に戻り、おっかさんと一緒にどこかへ逃げてくれ。知県はあんたを死刑にするつもりなんだ。おれがあんたを逃がしても死刑にはなるまいし、おれの家は金持ちだから役人を買収することもできる。後のことは心配せず、さ、早くいけ」といった。雷横は大いに感謝し、その場から逃げ出していった。
 それから朱仝は店に戻り、「雷横に逃げられた」と兵士たちに告げた。が、慌てて追いかけたりはせず、なんのかんのといって兵士たちとその場に留まり、ずいぶんたってから役所に戻って知県に謝罪した。
 すると白秀英の老父が、朱仝はわざと雷横を逃がしたのだと知県に訴えた。知県としては朱仝を罪に問う気はなかったのだが、老父があまりにうるさいのでやむなく朱仝を逮捕し、済州府へ押送させた。そこで裁判が行われ、朱仝は刺青をして滄州牢城へ送られた。

◆梁山泊の陰謀で無理矢理仲間入りさせられる

 滄州へ着いた朱仝はすぐに州役所に出頭した。このとき、知府(長官)が朱仝の立派な風貌を気に入り、朱仝を牢城へは送らなかったので、州役所で雑用をして暮らすことになった。
 あるとき朱仝が執務中の知府の近くに控えていると、ふいに衝立の陰からまだ4才の知府の愛児が姿を現し、朱仝の方に駆け寄ってしきりにからみついてきた。朱仝は仕方なく坊やを抱き上げたが、坊やは朱仝の立派なひげを引っ張りながら、「おじちゃん、遊ぼう。おじちゃん、遊ぼう」という。知府が注意してもきかない。「それではわたくし坊やと一緒にその辺を散歩してきましょう」と朱仝がいうと、「そうか、そうか」と知府は応えた。朱仝は外へ出るとその辺をぶらつきながら、坊やのために菓子なども買ってやった。間もなく役所に戻ったときには坊やは大喜びで、「お菓子を食べた。お菓子を食べた」という。知府は朱仝に感謝し、酒を出してもてなした。このときから、朱仝は毎日坊やを連れて街へ遊びに行くようになった。
 それから半月ほどたった盂蘭盆の祭りの日(七月十五日)のこと。朱仝は乳母に頼まれ、坊やと灯篭流しを見物に行くことになった。夕方になってから朱仝は坊やを連れて役所を出て、ある寺の池で灯篭流しを見物した。坊やは欄干にしがみついて嬉しそうにしていた。このとき、朱仝の後ろから誰かが袖を引っ張った。見るとそれは雷横で、「兄貴、話があるんだ」といった。朱仝は坊やにその場から動かないように注意し、雷横についていった。ひっそりした場所まで来たとき、雷横は「実はわたしはいま梁山泊の仲間に加わっており、宋江どのや晁蓋どのに頼まれて、吾軍師と一緒に兄貴のことを捜しに来たのです」といった。するとそこに吾用も現れて礼をし、「朱仝どのお久しぶりです。このたびはわたしと雷横どのが遣わされて、あなたを梁山泊にお誘いにまいりました」といった。朱仝は大いに驚き言葉を失ったが、少しして、「いや、それはできません。雷横はどうしようもなくて梁山泊に逃げ込みましたが、わたしは一年もすれば良民に戻れる身なのです」と応えた。雷横は、「こんなところにいて何になるんです。宋江どのも雷横どのも兄貴が来ることを望んでいるんですよ」といったが、朱仝は聞かなかった。この様子を見て吾用もあきらめたようで、三人は一緒に池の畔まで歩いていった。と、どういうわけか坊やの姿が見えなくなっていた。びっくりしておろおろしている朱仝を横目に雷横が、「わたしたちが連れてきた李逵という男が勝手に連れ去ったのでしょう。わたしたちの宿に行けば会えるでしょう」といった。「なんてことをするんだ。あの坊やは知府さまの愛児なのだぞ」と朱仝は叫び、とにかく雷横と吾用について歩き出した。
 三人が城外へ出てしばらく歩き続けたとき、ふいに目の前に大男が現れ、「おれが李逵だ」と叫んだ。そして、「坊やならいま林の中で眠っているよ」といった。朱仝は大急ぎで林にかけ込み、月明かりで坊やを捜した。と、確かに坊やは横になっていたが、よく見れば頭を割られて死んでいた。驚いた朱仝は怒りに満ちて林から飛び出した。外にはだいぶ離れたところに李逵だけが待っていて、二本の板斧を振り回しながら、「相手をしてやる」と叫んだ。が、朱仝が必死になって追いかけていくと李逵は逃げ出し、朱仝はどうしても追いつけない。それでいて李逵は朱仝を完全に振りきろうとはせず、朱仝の速さにあわせて距離を保って逃げていく。明け方近くなったころ、前方に大きな屋敷が現れ、李逵がその中にかけ込んでいった。朱仝も後を追って屋敷に入ると表の広間の前まで行き、「誰かいませんか」と呼びかけた。そこへ中から一人の立派な風采の男が出てきた。この男というのが朱仝も名前を聞いたことのある小旋風の柴進だった。朱仝が不思議がっていると柴進は朱仝を奥の間に案内し、事情を説明した。「いま梁山泊の頭領をしている宋公明どのの命令で、吾用、雷横、李逵があなたを迎えに来たのですが、あなたが山寨への仲間入りを拒否されたので、李逵があんなことをしてあなたが役所に戻れないようにしたのです」と柴進はいった。すると吾用と雷横もその部屋に現れて、「どうかお許しください」という。「気持ちは分かるが、やり方がひどいじゃないですか。いまとなっては山寨に行ってもかまいませんが、その前に李逵に会わせていただきたい」と朱仝はいった。と、すぐにも李逵が現れた。朱仝は怒りに燃えて立ち上がり、みなを見回し、「わたしが山寨へいくには条件があります。いますぐこの男を殺してください。李逵がいる限り、わたしは梁山泊へは行きません」といった。これを聞いた柴進が間に入り、「それでは李逵はわたしの屋敷に残ってもらいましょう。あなたがた三人だけで山へいけばいいじゃないですか」といった。「あなたの家族のことも心配は入りません。われわれの仲間がすでに山寨の方へお連れしているでしょう」と吾用はいった。これを聞くと朱仝もいくぶん怒りが治まった。それから朱仝は柴進の屋敷でもてなされ、その日のうちにも吾用、雷横とともに梁山泊へ出発し、そのまま梁山泊の仲間に加わった(第52回)。
梁山泊入山後の活躍
◆梁山泊軍の主力の一人として活躍し、戦後にも出世する
政和8年 秋、朱仝は李逵と和解する。
 朱仝が梁山泊入りして一月あまりたったころ、李逵が高唐州長官・高廉の義弟・殷天錫(いんてんしゃく)を殺したことから、柴進が高唐州で捕らえられるという事件が起こった。李逵は梁山泊へ逃げ帰り、事件を報告したが、李逵を見た朱仝はまたしても怒りがこみ上げてきて、朴刀を持って李逵にかかっていった。すぐさま宋江が止めに入り、朱仝に謝罪し、李逵にも命令して謝罪させたので、朱仝はようやく怒りを鎮め、李逵と和解した(第52回)。

柴進を救出するために梁山泊軍が高唐州を攻め、朱仝もこれに加わった。

冬、呼延灼率いる朝廷軍と戦う。朱仝は二度の戦いに参加した(第55回、第57回)。

青州に雇われた呼延灼が白虎山の孔明を生け捕りにすると朱仝は梁山泊軍の一員として青州を攻撃した(第58回)。
宣和元年 2月、華州に捕らえられた史進救出作戦が実行される。呉用の作戦で西嶽華山に参詣する朝廷の使節団を装って華州長官・賀太守を華山に誘い出して殺すことが決まると、朱仝は護衛兵に変装した(第59回)。
史進が朱武、陳達、陽春を率いて芒トウ山の山賊・樊瑞らを退治するために出征し、朱仝は柴進らとともに宋江に率いられて援軍に出かけた(第59回)。

5月ころ、北京に住む盧俊義を梁山泊入りさせるための作戦が実行される。呉用にだまされた盧俊義が梁山泊方面に旅してくると、朱仝は李逵や魯智深らとともに盧俊義を襲って戦った(第61回)。
宣和2年 春、曽頭市との二度目の戦争が起こる。朱仝は曽頭市の西の陣を攻め(第68回)、敵将・曽密を討ち取った。

3月、東平府・東昌府攻撃軍が編成される。朱仝は盧俊義の軍に加わり、東昌府を攻めた(第69回)。この戦いで、朱仝は雷横とともに敵陣を攻め、敵将・張清の石つぶてを受けた雷横を救おうとしたが、自分も首筋に石つぶてを受け、関勝に救出された(第70回)。
宣和3年 正月、史進、魯智深たちとともに宋江の供となって、15日の元宵節の祭りを見物しに東京に行く(第72回)。

夏、童貫率いる朝廷軍と戦う。梁山泊軍は九宮八卦の陣を敷き、朱仝は雷横とともに中央の陣の真南で騎兵を率いた(第76回)。

秋、高俅率いる朝廷軍と戦う。二度目の戦いで、朱仝は吾用の作戦“追趕(ついかん)の計”に参加し、逃げていく敵の陸軍を追い討ちした(第79回)。
宣和4年 3月、梁山泊が朝廷に帰順する。

4月ころ、遼国戦争が始まり、朱仝は宋軍の正将として出征した。

檀州攻略後、宋軍は進軍する兵を二隊に分け、朱仝は宋江麾下の軍に編入された(第84回)。

薊州攻略後、遼国から梁山泊軍を招安したいという申し出があり、宋軍では宋江と一部の将兵が敵に寝返ったように見せる作戦を採る。朱仝を含む十数名の将が一万の兵を連れ、宋江と一緒に敵の文安県城に入り、後続の部隊と呼応してこれを落とした(第85回)。

昌平県境での最初の戦い。朱仝は林冲らとともに敵の黒旗の陣を打ち破ったが、戦いには勝てなかった(第88回)。

昌平県境での最終決戦。宋軍は九天幻女の法を用い、朱仝は副将として敵の黒旗の陣に討ち入る一隊に加わり(第89回)、敵将・曲利出清(きょくりしゅっせい)を討ち取った。

田虎討伐戦始まる。

宋軍が田虎支配地に近い衛州まで進むと、まず初めに盧俊義が陵川城を攻めることになり、朱仝もこれに従い、陵川城を落とした(第91回)。

蓋州城攻略戦。朱仝は史進らとともに城の東北の岡の麓に伏兵を敷き、晋寧から来た敵の援軍を撃退した(第92回)。
(宣和5年) 蓋州攻略後、宋軍は兵を二隊に分け、朱仝は宋江麾下の軍に編入された(第93回)。

王慶討伐戦始まる。

荊州紀山での戦い。朱仝は関勝らとともに本陣の後ろに陣を敷き、敵の援軍に備えた(第107回)。

南豊州での最終決戦。宋軍は九宮八卦の陣を敷き、朱仝は雷横とともに中央の陣の真南に位置した(第109回)。
宣和5年 方臘討伐戦始まる。

宋軍が敵側の大商人・陳将士の屋敷を襲う。朱仝は索超らとともに屋敷の門外を取り囲み、陳将士一家の者を皆殺しにした(第111回)。

潤州攻略後、宋軍は陸路の兵を二隊に分け、朱仝は宋江麾下の軍に編入され、常州、蘇州へ向かった(第112回)。

蘇州無錫県での戦い。敵方から選ばれた8騎兵と宋軍から選ばれた8騎兵がそれぞれ一騎打ちをすることになり、朱仝もこのうちの一騎に選ばれ、槍を遣って敵将・コウ正を討ち取った(第113回)。

杭州攻略後、宋軍は兵を二隊に分け、朱仝は宋江麾下の軍に加わり、睦州へ向かった(第116回)。

睦州での戦い。睦州城手前の烏竜嶺で戦死した解珍と解宝の死骸を取り戻そうと宋江が関勝らを引き連れて出発すると、朱仝は吾用の命令を受けて魯智深らと宋江の後を追い、烏竜嶺で敵の伏兵に襲われた宋江を救出した(第117回)。

方臘討伐戦に勝利し、東京へ凱旋する。朱仝は朝廷から保定府都統制の任を授けられた(第119回)。その後、朱仝は立派に仕事を務め、大金国との戦争に出征して勝利し、最後には太平軍節度使にまで出世した(第120回)。
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