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フランボワイヤン・ワールド
水滸伝の豪傑たち
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
 
天罪星
てんざいせい
阮小五
げんしょうご
梁山泊での順位 29位
持ち場 四方の寨を守る水軍頭領
特技 操船術
あだ名 短命二郎(たんめいじろう)
出身地・前歴 済州石碣村・漁師
あだ名の由来
本人が短命なわけではなく、この男と出会った相手の方が短命になってしまう。また本人は次男だったので短命二郎と呼ばれた。
母親のかんざしでばくちを打つごろつき漁師
 阮小五は天罡星のひとつ天罪星が生まれ変わった好漢である。
 阮氏三兄弟の次男で、他の兄弟と同様に梁山泊と水つづきの石碣湖のほとりにある石碣村(せきけつそん)で漁師をしていた。胸に豹の刺青があり、両腕が鉄棒のような男で、金がないときには母親のかんざしを持ってばくちを打ちに行くようなならず者だった。しかし、義を重んじる好漢らしさも持っており、晁蓋が金づるをつかんだのでそれを横取りしてしまおうと呉用に誘われたときには、そんなことをしたら世の好漢たちに笑われると即座に拒否している。この三兄弟はみながみな腕のふるい場所を求めていたが、そのことをはっきりと最初に口にしたのも阮小五で、兄弟の中でも最も豪傑らしい雰囲気を持っていたといえそうである。
阮小五の物語
◆兄弟そろって晁蓋の仲間になり生辰綱を略奪する

 阮小五は梁山泊に近い石碣村で漁師をしていた。ある年の5月ころ、兄弟の阮小二と阮小七が古い知り合いの呉用をともなって阮小五の家を訪ねてきた(第15回)。このころ阮小五は毎日ばくちを打っていたが、いつも負けてばかりで金がなく、この日は母親のかんざしを奪ってばくちを打ちに出かけていた。ばくちから戻って来た阮小五はすぐにも小舟を出し、三人とともに湖をわたって湖畔の料亭に入った。
 このとき呉用は、阮氏三兄弟を誘って晁蓋の仲間に加え、朝廷の蔡京太師の誕生日にその娘婿である北京大名府長官・梁中書から贈られる十万貫もの生辰綱(誕生祝いの財宝)を略奪してしまおうという計画を持っていた。しかし、呉用はすぐにはそれを切り出さず、兄弟の様子を探るために、目方十四五斤の鯉を十匹ほど捕まえてほしいと注文した。これに対し、三兄弟は最近は梁山泊に山賊が巣くうようになったため思うように魚が捕れないといいわけをした。このことから話題が梁山泊に及ぶと阮小五は真っ先に、「あいつらは金銀を秤で分け、いいものを着て、好きなものを飲み食いできるのだから、こんな楽しいことはないだろう。おれたち三人だって力はあるんだが、残念なことに腕をふるう場所がないときている。どうにかあんなふうになりたいんだがなあ」と素直な気持ちを打ち明けた。阮小七も阮小五も考えは同じだった。
 すると呉用が、「実は、わたしの知り合いでウン城県東渓村に住む晁蓋という者がつい最近ばく大な金づるを握ったということなのだが、その金をわれわれで奪ってしまったらどうだろう。そうすればいい暮らしができる」といいだした。しかし、阮小五は義を重んじる男だったので、「いやいや、晁蓋どのは義侠心のある立派なお方です。その人から金を奪ってはわれわれが好漢たちから笑われます」とすぐにも呉用の考えを拒絶した。
 これを聞いた呉用は、これならこの三人を仲間にできそうだと考え、はじめて生辰綱略奪の件を持ち出した。話を聞いた三兄弟に反対のあろうはずはなかった。とくに阮小五は大喜びで、「いいぞ、いいぞ」と繰り返した。
 こうして阮氏三兄弟は晁蓋の仲間に加わり、晁蓋、呉用、公孫勝、劉唐、白勝と一緒に生辰綱を略奪した。ところがその後、一味の犯行が露見し、捕らえられた白勝が拷問にかけられてすべてを白状したことから、残った七人は急遽梁山泊へ逃れることになった。梁山泊の頭領・王倫は器量の小さい男で、自分の立場を守るためになんととか七人を追い出そうとしたが、このことのために腹を立てた林冲に殺された。この結果、晁蓋一味が梁山泊を乗っ取った形になり、晁蓋が第一の頭領となり、阮小五も第七の地位についた。
梁山泊入山後の活躍
◆方臘討伐戦・清渓県の戦いで戦死する
政和5年 入山後間もなく晁蓋一味を捕らえるために済州の兵が四五百の船で梁山泊に攻め寄せる。阮氏三兄弟はそれぞれ船を操って敵船団を狭い入江に誘い込み、陸からの攻撃をしやすくする働きをした(第20回)。
政和7年 7月、江州で処刑されそうになった宋江と戴宗を好漢たちが救出する。阮氏三兄弟は乞食の扮装をして江州にもぐり込み、処刑場のそばで大暴れした(第40回)。
政和8年 1月ころ、祝家荘戦争が起こる。阮氏三兄弟は呉用らとともに本寨の守備を担当した(第47回)。

春、梁山泊の第二回職務分担が決まり、阮氏三兄弟は山の南の水寨の守備を担当する(第51回)。

冬、呼延灼率いる梁山泊討伐軍と戦う。最初の戦いで、阮氏三兄弟は李俊らとともに水軍として陸軍の応援にあたり、砲撃の名手・凌振を生け捕りにした(第55回)。二度目の戦いでは、阮氏三兄弟は水軍を率いて戦う(第57回)。
宣和元年 4月、曽頭市との第一回目の戦争が起こる。晁蓋が二十名の頭領を引き連れて曽頭市を攻め、そのうち十名の頭領が城内にまで攻め込んだが、阮氏三兄弟もこれに選ばれた(第60回)。

5月ころ、盧俊義勧誘作戦が実行される。阮氏三兄弟も盧俊義を生け捕りにする作戦に加わる(第61回)。

秋、関勝率いる梁山泊討伐軍と戦う。敵将・関勝を生け捕りにしようとして張横が自分勝手に行動し、敵に捕らえられる。張順から事態を聞かされた阮氏三兄弟は宋江からの命令を待たずに張順とともに張横の救出に出かけたが失敗し、阮小七も敵の捕虜になる。捕まった二人は間もなく李応によって救出された(第64回)。
宣和2年 3月、東平府・東昌府攻撃軍が編成され、阮氏三兄弟は宋江麾下の軍に編入され、東平府を攻める(第69回)。

東平府攻略後、宋江軍は盧俊義軍の応援に東昌府へ向かい、阮氏三兄弟はほかの水軍たちと協力して敵将・張清を生け捕りにした(第70回)。
宣和3年 秋、高俅率いる朝廷軍の梁山泊攻撃が始まる。阮氏三兄弟は張横とともに敵水軍の将・党世雄を生け捕りにした(第78回)。

11月、高俅が大小の海鰍船三百隻で攻め寄せる。この戦いでは水軍が主力となって戦い、阮氏三兄弟は敵将・李従吉を生け捕りにした(第80回)。
宣和4年 2月、梁山泊が正式に朝廷に帰順する。

3月、阮氏三兄弟は宋江、呉用らとともに梁山泊に戻り山寨の解体作業に従事する。

4月ころ、遼国戦争が始まり、阮氏三兄弟は宋軍の正将として出征する。

檀州城攻略戦。阮氏三兄弟は李俊らとともに敵戦船を撃破し、城の水門を奪う(第83回)。

檀州攻略後、宋軍は兵を二隊に分けて進軍するが、阮氏三兄弟は守備隊となり、檀州城に残った(第84回)。

宋江軍の幽州城攻略後、阮氏三兄弟は本隊と合流する(第87回)。

昌平県境での最終決戦。阮氏三兄弟ら水軍は主力軍の援護を担当した(第89回)。

田虎討伐戦始まる。

宋軍が衛州から蓋州へ向かうときに、阮氏三兄弟ら水軍は衛州城の守備を担当した(第91回)。
(宣和5年) 宋軍の一隊が潞城を落とすと、阮氏三兄弟ら水軍は黄河から潞城県へ向かい、索超の軍と合流して楡社県、大谷県を落とした(第99回)。

大原県城攻略戦。阮氏三兄弟ら水軍は盧俊義軍の応援に大原県へ向かい、大雨で水量の増した河川を決壊させて大原県城を水攻めで落とす活躍をした(第100回)。

王慶討伐戦始まる。

山南城攻略戦。阮氏三兄弟ら水軍は山南城外の河川に兵糧船を浮かべ、わざと本隊から逃げ遅れたように見せかけた。この兵糧船を敵将・段二が奪おうとしたのに乗じて、船体内に隠れていた李逵、魯智深らと協力して山南城を奪った(第106回)。
宣和5年 方臘討伐戦始まる。

杭州城攻略戦。阮小七は張横らとともに杭州城南の揚子江に配備され、阮小五、阮小二らは西方の湖に配備された(第114回)。

杭州攻略後、宋軍は兵を二隊に分け、阮氏三兄弟は宋江麾下の軍に加わり、睦州へ向かった(第116回)。

敵の本拠地清渓県の戦い。阮小五はは阮小七、李俊らとともに糧秣船を率いて敵城に向かい、投降すると見せかけて城内に進入。城外からの攻撃に呼応して火を放ち、清渓県城を落とすのに貢献したが、この戦いの最中に阮小五は戦死した(第118回)。
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《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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