小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
販売開始しました。 |
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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イオの末裔
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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梁山泊での順位 |
94位 |
持ち場 |
死刑執行首斬人 |
特技 |
斬首 |
あだ名 |
鉄臂膊(てっぴはく) |
出身地・前歴 |
北京・牢役人兼首斬り役人 |
あだ名の由来 |
首斬り役人らしくとんでもなく腕力が強かったので、鉄臂膊(鉄の腕)と呼ばれた。 |
盧俊義を助けただけで梁山泊入りした首斬り役人 |
蔡福は地煞星のひとつ地平星が生まれ変わった好漢である。
蔡慶の実の兄で、兄弟そろって北京の牢役人・首斬り役人をしていた。盧俊義が梁山泊と結託したという罪で北京で逮捕されたときも、蔡福と蔡慶が盧俊義の首を斬るはずだったが、梁山泊の柴進に賄賂をもらい、盧俊義を助ける側に回った。ただし、盧俊義を助けるために体を張って戦ったというほどではなく、かなり消極的だったので、本当に梁山泊入りする資格があったのか疑いたくなるところもある。とくに兄の蔡福は弟がてきぱきしているのに比べて優柔不断なところがあり、梁山泊の好漢たちに首を斬られたとしても、不思議ではないくらいだ。兄弟は梁山泊でも首斬りの担当者になったが、活躍する場はほとんどなかった。 |
蔡福の物語 |
◆梁山泊から賄賂をもらい盧俊義のために働く
蔡福は北京で牢役人兼首斬り役人をしていたが、ある年の7月ころ、蔡福のいる大牢に北京の大金持ちとして有名だった盧俊義が死刑囚として送られてきた。これより以前、盧俊義は二ヶ月間ほど梁山泊に滞在しており、これが梁山泊と結託したとみなされたのである。実は、盧俊義は梁山泊の罠にはまって梁山泊に軟禁されていただけだったが、その主張は認められなかった。蔡福は盧俊義を受け取ると、死刑囚の牢へ連れていくように弟の蔡慶に命じ、用事を思い出して家へ向かった。と、早くも牢門のそばで一人の男が蔡福に声をかけた。盧俊義の家で働いていた燕青だった。「燕の兄い、どうしたんだい」と蔡福は気楽に声をかけた。燕青はいかにも哀れっぽく、「主人の盧俊義は家を乗っ取ろうと企む妻の賈氏と大番頭の李固のために無実の罪を着せられ、わたしも家から追い出されたので差し入れする金もありません。それでも飯入れ半分の飯をもらってきたので、主人に差し入れたいのです」という。蔡福は盧俊義が無実だということは知っていたので、「さあ、自分で持っていくがよい」といい、燕青が牢に入っていくのを許した。
それから、蔡福がさらに歩いていくと、今度は茶店の給仕に呼び止められた。なんでも、店の二階で蔡福と話をしたいという男が待っているという。蔡福が行ってみるとそれは盧俊義の店の大番頭の李固で蔡福と会うなり、「ここに五十両あります。今夜中にも盧俊義を殺していただきたいのです」という。「おれはそんなこととかかわり合いたくないんだよ」と蔡福がいうと、さらに五十両出すという。「盧俊義ほどの男の命がたった百両かい。本当に殺したいなら五百両だ」と蔡福はふっかけた。と、李固は本当に五百両の金を差し出しので、蔡福も依頼を引き受けることにした。「明日の朝、死体を引き取りに来てくれよ」といって蔡福は店を出た。
それから蔡福が家へ戻ってみるとさらに別な男が訪ねてきた。蔡福が応接間に招き入れると男は、「牢役人さま、実はお願いがあります。わたしは梁山泊の柴進というものですが、牢役人さまに盧俊義の命を助けてほしいのです。ここに黄金一千両を用意してきました」といった。これには蔡福も驚いたが相手が梁山泊では逆らうわけにもいかないので、「とにかくやってみましょう」と応えた。それから蔡福は牢に戻るといったいどうすべきか弟の蔡慶に相談した。蔡慶は、「何を迷っているんです。とにかく一千両の金を役人たちにばらまきましょう。そうすれば盧俊義は死刑ではなく流罪ですむでしょう」といった。蔡福は盧俊義を牢の中でも良い場所に移し、うまいものを食えるようにしてから、さっそく役人たちに賄賂を使った。すると、この作戦は功を奏し、しばらくして盧俊義は遠隔地への流罪と決まった。
ところが、この後で盧俊義の護送を担当した役人が李固から賄賂をもらい、護送途中で盧俊義をさんざ痛めつけて殺そうとした。この役人を燕青が殺し、盧俊義を救出しようとしたが、このために護送役人殺しの罪を着せられた盧俊義は再び捕らえられ、今度こそ北京で処刑されることになった。処刑担当はまたしても蔡福と蔡慶だった。処刑の日、十字路の仕置場に出された盧俊義に蔡慶は、「わたしたちはできるだけのことをしたんですよ」とわびをいった。間もなく盧俊義の枷がはずされ、蔡福が首斬り刀を構えたとき、料理屋の二階から刀を持った大男が、「梁山泊の好漢、ここにあり」と叫んで飛び降りてきた。蔡福と蔡慶はびっくりし、仕事を放り出して真っ先に逃げ出した。その大男というのは梁山泊の石秀で、逃げ遅れた者数十人を切り倒し、盧俊義を連れて逃げ出した。
盧俊義も石秀も結局は逃げ切れずに捕まってしまうが、梁山泊を恐れる北京当局は二人を処刑することは避け、とりあえず死刑囚の牢に閉じ込めておくことにした。蔡福は梁山泊の好漢と知り合いになりたいと思っていたのでこれを喜び、盧俊義と石秀に毎日よい酒と料理を振る舞い、苦しい目にあわないように注意した。この後、梁山泊軍が一度は北京を包囲したが、大雪の季節になると戦いは中断し、翌年正月十五日元宵節の夜に梁山泊による二度目の北京攻撃が行われることになった。
その夜、蔡福が牢から家に戻ってみると、梁山泊の柴進が楽和を連れて訪ねてきた。「大事な話があります。これから盧俊義と石秀に会いたいので、案内してもらえませんか」と柴進はいった。蔡福はおよそのことを察したので、すぐに二人に役人の衣服を着せ、牢へ案内した。と、間もなく、北京のあちこちに火の手が上がり、城内が混乱する様子が牢の中にも伝わってきた。これを見た柴進と楽和が、「蔡福さん、蔡慶さん、いまさらぐずぐずすることはないでしょう」といった。このとき、孔明と孔亮が牢に侵入し、盧俊義と石秀を自由にした。こうなったら梁山泊に従う方が得なので、蔡福と蔡慶は柴進と一緒に自分の家族を守りにいき、そのまま梁山泊入りしてしまった。
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梁山泊入山後の活躍
◆方臘討伐戦中に清渓県で戦死する |
宣和3年 |
夏、童貫率いる朝廷軍と戦う。梁山泊軍は九宮八卦の陣を敷き、蔡福は中央の陣の鉄面孔目の裴宣の後ろに位置した(第76回)。 |
宣和4年 |
3月、梁山泊は正式に朝廷に帰順する。
4月ころ、遼国戦争が始まり、蔡福は宋軍の副将として遼国戦争に出征した。
檀州攻略後、宋軍は進軍する兵を二隊に分け、蔡福は宋江麾下の軍に編入された(第84回)。
昌平県境での最終決戦。蔡福は遼国の左軍の太陽の陣に討ち入る一隊に加わった(第89回)。
田虎討伐戦始まる。 |
(宣和5年) |
蓋州攻略後、宋軍は兵を二隊に分け、蔡福は宋江麾下の軍に編入された(第93回)。
称徳城攻略後、梁山泊へ寝返った田虎軍の女将軍・瓊英に率いられ、敵の本拠地・威勝城を攻める。瓊英隊が敵将・田豹(でんひょう)と田彪(でんひゅう)を捕らえると、蔡福は蔡慶、王定六、郁保四とともに二人を襄垣城へ押送した(第100回)。
王慶討伐戦始まる。
南豊州での最終決戦。梁山泊軍は九宮八卦の陣を敷き、蔡福は中央の陣に位置した(第109回)。 |
宣和5年 |
方臘討伐戦始まる。
潤州攻略後、宋軍は兵を三隊に分け、蔡福は宋江麾下の軍に編入され、常州、蘇州へ向かった(第112回)。
杭州攻略後、蔡福は再度宋江麾下の軍に編入され、睦州へ向かった(第116回)。
睦州攻略後、宋江軍は盧俊義軍と敵の本拠地清渓県を攻めたが、この戦いのときに蔡福は重傷を負って戦死した(第435回)。 |
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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