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フランボワイヤン・ワールド
水滸伝の豪傑たち
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 小説
イオの末裔
〔Kindle版〕

販売開始しました。
《内容》
 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。
地俊星
ちしゅんせい
宋清
そうせい
梁山泊での順位 76位
持ち場 宴会準備担当管理者
特技 なし
あだ名 鉄扇子(てつせんす)
出身地・前歴 済州鄆城県・農民
あだ名の由来
どうして鉄扇子と呼ばれたかは説明がないが、そういうものを持っていたと想像することはできる。
大酒飲み集団梁山泊を影で支えた宴会係
 宋清は地煞星のひとつ地俊星が生まれ変わった好漢である。
 梁山泊の第一の頭領・宋江の実弟だからそれなりの威厳があると思ってしまうととんでもない間違い。武芸もできないし、特別に職業的な熟練もないし、教養もない。したがって、活躍する場も全然ない。役職にしても宴会係という豪傑らしからぬものである。ただし、これが閑職かというと決してそうではない。宴会係というのはどんな集団でもありがちなものだが、梁山泊のような豪傑の集団の場合、なおさら必要なものらしい。なにしろ、梁山泊では新しい好漢が入ってくるたびにしばしば数日間ももてなしの宴会が催される。呉用の作戦で盧俊義を梁山泊に引き止めたときには、二ヶ月も宴会続きだった。しかも、好漢たちは基本的にみな大酒飲みときている。宴会係の活躍ぶりなど決して語られないが、かなり忙しかったのではないだろうか。
宋清の物語
◆宋江の弟だというだけで梁山泊の好漢に

 宋清は宋江の実弟。宋江が役人として1人暮らしをしていたのに対して、宋清は鄆城県宋家村の屋敷で老父・宋太公と一緒に暮らし、農家をしていた。とはいえ、小作人ではなく、屋敷も大きく、下男も使っていた。
 ある夜、宋江が一時の怒りから当時妾にしていた閻婆惜という女を殺してしまい、宋家村の屋敷に逃げ帰ってきた(第22回)。しばらくすると、捕盗係の都頭(隊長)である朱仝と雷横が兵を引き連れて捜索にきた。捕まれば死刑になるかも知れないので家族の者は宋江を逃がしたいが、宋江がいないとなれば家族の者が人質として捕らえられる。しかたがないので、宋清も兄宋江と一緒に仏間の床下に隠れ、老父が対応に出た。そのうち屋敷内の捜索が進み、朱仝が仏間にやってきた。しかし、実のところ朱仝も雷横も宋江とは親しかったので、逮捕する気はなかった。宋江の実家の仏間の床下に秘密の隠し部屋があることを知っていた朱仝はその前にきて、床を開けて宋江にいった。「まあ、ここも悪くはないが、誰かに見つかったらどうする。行く場所があるなら今夜のうちにも出発してくれ」。それから朱仝らは屋敷には病弱な宋太公の他は誰もいなかったということにして、誰も捕らえずに引き上げた。兄弟はすぐにも荷物をまとめ、下男たちを呼んで老父のことをよく面倒見るように諭してから、宋江が以前から手紙のやりとりをしていた、滄州に住む小旋風の柴進の屋敷を目指して旅に出た。
 その後、宋清は宋江とともに柴進の屋敷に半年ほど滞在したが、宋江が老父のことを心配したので、ひとまず宋清だけ宋太公の屋敷に戻った。このころには朱仝と雷横が奔走したおかげで、宋江本人だけを逮捕することが決まっていて、宋清はどうにか屋敷で無事に暮らすことができた。
 翌年正月、老父が宋江のことを心配して会いたがるので、宋清は父が亡くなったからすぐに帰るようにという嘘の手紙を書いた。このころ宋江に会いたくて仕方がないという石勇という男が屋敷を訪ねてきたので、宋清は宋江がいまは白虎山の孔太公の屋敷にいるはずだと教え、その手紙を託した。この石勇がすでに白虎山を出ていた宋江と偶然にも出会い、手紙を受け取った宋江は父が死んだと思い、慌てて家に戻ることになる(第35回)。
 ところで、このころウン城県の都頭だった朱仝と雷横は役目で別な役所に出向いており、宋江のことを知らない代理の人間が役目をつとめていた。この代理役人が宋江が帰ってきたことを知るとその夜のうちに兵を引き連れて宋太公の屋敷を取り囲み、宋江を逮捕してしまった。宋江が罪を犯してからこれまでの間に大赦があり、宋江は 罪一等を減じられていたので、江州送りと決まった。宋清は一宿場だけ宋江を見送り、涙ながらに別れた(第36回)。
 数カ月後、謀反の罪に陥れられ、江州で処刑されそうになった宋江を梁山泊の一味が大暴れして救出する事件が起こった。この事件はウン城県にも知れ渡り、捕盗係の役人たちが宋清親子を監視するようになり、江州から公文書が着き次第、宋清親子も人質として監禁されることが決まった。ところが、そんな折りもおり、宋江が家族を梁山泊に迎えようと宋家村の屋敷に帰ってきた。「どうして帰ってきたんです」と宋清はいい、現在の状況を説明した。慌てて逃げだそうとした宋江は途中で役人に追われたが、宋江のことを心配して駆けつけた梁山泊の仲間に救われた。このとき、梁山泊の一味は宋太公の屋敷にも迎えを寄こし、宋清は父や家族と一緒に梁山泊へ向かい、好漢たちの仲間となった(第42回)。
梁山泊入山後の活躍
◆方臘討伐後は再び故郷に帰って百姓になる
政和8年 春、梁山泊で第一回目の職務分担が決まる。宋清は宴席の責任者になった(第44回)。
宣和3年 4月、朝廷から梁山泊の招安を求める第一回目の使者が訪れる。宋清は曹正と一緒に宴席の準備を命じられた(第75回)。
宣和4年 3月、梁山泊が朝廷に帰順する。梁山泊軍が東京に滞在中、宋清は梁山泊の寨を解体するために、宋江、呉用らとともに兵一万を率いて梁山泊に向かった(第83回)。

4月ころ、遼国戦争が始まり、宋清は宋軍の副将として出征する。

檀州攻略後、宋清は柴進らとともに守備隊の一人として檀州に残った(第84回)。宋江の軍が幽州を取った後に本隊と合流した(第87回)。

田虎討伐戦始まる。
(宣和5年) 蓋州攻略後、宋軍は兵を二隊に分け、宋清は宋江麾下の軍に加わった(第93回)。
宣和5年 方臘討伐戦始まる。

潤州攻略後、宋軍は陸路の兵を二隊に分け、宋清は宋江麾下の軍に加わった(第112回)。

杭州攻略後、宋軍は兵を二隊に分け、宋清は宋江麾下の軍に入り、睦州へ向かった(第116回)。

方臘討伐戦に勝利し、東京に凱旋する。宋清は朝廷から官爵を授けられるが、その後は故郷に帰り、もとどおりの百姓として暮らした(第120回)。
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 教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。

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