1.前書き |
他流の道を知ることを「風の巻」のテーマにすること。 |
2.他流に、大きなる太刀を持つこと |
遠いところから敵に勝ちたちと思う点でよくないということ。 |
3.他流において、つよみの太刀ということ |
強い心で振る太刀は荒いものとなる。太刀に強い太刀、弱い太刀ということはあってはならないということ。 |
4.他流に、短き太刀を用いること |
力の強いものは大きな太刀でも軽く振れる。あえて短い太刀で勝とうとするのはよくないということ。 |
5.他流に太刀かず多きこと |
人を切る方法がいろいろあると思うところに迷いが生まれるので、太刀数が多いことはよくないということ。 |
6.他に、太刀の構えを用いること |
構えというのは動かされないということで、先手を重んじる兵法にはよくないということ。 |
7.他流に目付けということ |
流派によって、太刀や手などに目を付けるものがあるが、ことさらにどこかに目を付けようとすると混乱の元になるということ。 |
8.他流に足つかいあること |
足の踏み方に浮足、飛足などというのがあるが、二天一流の基本は平常道を歩くのと同じだということ。 |
9.他の兵法にはやきを用いること |
速さを重要視する考えがあるが、上手なものはゆったりと見えて、間が抜けないということを理解すべきだということ。 |
10.他流に、奥表ということ |
兵法に奥義(奥)や入り口(表)があるとするものがいるが、人を斬るのに奥も表もないということ。 |
11.まとめ |
この巻にあげたような偏った道を避け、心をもって兵法の道理をわきまえることが大事だということ。 |